ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2006年度 東工大後期数学 やってみた


第1問 難易度:C

グエー 楕円嫌い~
ところで来年度から共通テストに2次曲線が出るらしくて卒倒してます。さすがに準線とか焦点とかから式を求める程度の問題が出てくれる…よね?

(1)



図から自明ですが、接線の傾きがtである点に向かって引くのが最大です。わからん人は縦線を平行移動してみよう。
ではその時のPの座標とは何かが知りたいので、とりあえずx座標を求めてやりましょう。
楕円の接線が接点を(x_0,y_0)としてax_0・x+by_0・y=1で表されるのは世界の常識なので、傾きは-ax_0/by_0になります。これが=tであると言っています。

ところでここからの方針がよくわかりませんね。ここから具体的にx_0を求めようとすると計算地獄に陥って死亡します。
ここは軌跡の問題の大原則である「軌跡上の点を(X,Y)とおく」というのから始めてみましょう。

軌跡上の点を(X,Y)とすると。y=tx上にあるのでY=tXです。
で、先ほどの接点の座標を拝借するとX=x_0になりますからY=t・x_0になります。ということは

おお、これなら簡単にできそう。y_0を消去するだけで即軌跡が求まりそうですね。
楕円の式を使えば

おお! y_0がx_0で表せた!
あとはこれを代入すれば

という式が出てきて、これがそのまま軌跡となります。十分性チェックはt≧0からx_0≧0で、t→∞でy_0→0だからx_0→1/√aとでも言っておけばおk

(2)
交点を求めるためには連立させればよいです。ただこんなめんどくさそうな式を代入したくありませんし、せっかく結構特殊な状況なので…

図形的考察で求めちゃいましょう。
C'と楕円が交わるということは、PとP'はy軸に対して対称の位置にあるはずです。
楕円は円を引き延ばしたものですから、x方向への補正をかけて円に戻してやれば、円の超基本的性質であるOP'⊥接線から、OPの傾きが1であることがわかりPの座標が出ます。あとは補正を戻して元の楕円に戻してやればOKです。

というわけでP(1/√(2a)、1/√(2b))が難しい計算を一切せずとも出てきちゃいます。

(3)
π∫x^2dy定期。

ただ曲線C'の式を覚えているでしょうか…?

そうですこれです。
しかもx軸まわりの回転じゃなくてy軸まわりの回転なので、まずx^2をyで表さねばなりません。(2)で代入を避けたとか言ってたのがアホらしくなるめんどくささです。

めんどくささが尋常じゃないので何かいい方法が無いのかとも探しましたが、見つからず。うーん…。

と思ったら意外と綺麗な形になった。
y√(y^2+4/b)は√の中身の積分が外に出てる形なのでこうなれば簡単です。

本当に合ってるのかこれ!?






第2問 難易度:C

d^6とかいう巨大な数が出てきて圧倒されますが、要はaを素因数分解したときに6乗以上の素因数は出ませんよということを言っています。

(1)
まあそれはさておいて、3a=b^3からb^3が3の倍数なので、3乗してる以上は3^3で割り切れるはずで、じゃあ残り2乗分はどこから来るの? ってことでaから来るに決まってるよねという話。
5a=c^2についても同様です。
ところで、素数pに対して、a^nがpの倍数⇒aがpの倍数が成立するのは自明なのかという問題がありますが、これを認めないことにすると一般に「xyがpの倍数」⇒「xかyの少なくとも一方がpの倍数」って話すらまともにできなくなるので大学入試ではさすがに証明無しで使ってしまっていいでしょう。

(2)
それでは3と5以外の素因数を持っていたらどうなるか? 3と5以外に素因数pを持つとすると、(1)と同様にbもcもpの倍数です。
このときb=p^x・q (qはpの倍数ではない)と表せるはずで、b^3=p^(3x)・q。
同じく、c^2=p^(2y)・rとかけて、素因数分解の一意性から3x=2yであり、その指数は6以上… つまり6乗以上の素因数が出てくるため前提に矛盾します。
よって3と5以外の素因数を持つという仮定が誤っていたことになります。

(3)
b^3=3^(x+1)・5^y
c^2=3^x・5^(y+1)

1≦x,y≦5、x+1とyが3の倍数、xとy+1が2の倍数。

これらを全て満たす組は(x,y)=(2,3)に限り、このときa=3^2・5^3=1125とわかります。


受験生時代、模試のたびに論理飛躍 (僕は全く飛躍だと思っていない) で10点くらい引かれてたことがあるので記述が冗長になってしまう悪癖が抜けません。