ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2000年度 東大後期数学 やってみた

なんだかんだで順調に解けています。

第1問 難度:D*****

かかった時間:58分11秒

頭がこんがらがって結構沼りました。

(1)
これは簡単。
P_k(0)=0なのでP_1(x)=ax、P_2(x)=bx^2+cxとおけるので、あとはP_k(x)-P_k(x-1)=x^(k-1)の恒等式に代入するだけです。
P_1(x)=x、P_2(x)=x(x+1)/2

(2)
これで苦戦しました。
いやいや、P_k(x)=a_1x+a_2x^2+……+a_kx^kとおけばP_k(x)-P_k(x-1)=x^(k-1)に代入すれば、各々の係数がヤバいけどとりあえずk個の文字についてk元一次連立方程式ができるんだから一意に定まるのは自明でしょ? と思ったあなたは0点です。

というのも連立方程式の解について次のような例があることを知っているはずです。

各々の係数がヤバいとはいえ、それを完全に無視するわけにはいきません。以上のようなパターンが無いと断言するにはもう少し各々の係数について議論する必要があります。
しかしこれが苦労した。僕はしがない高校数学マニアにすぎないので線形代数には全然明るくなく、基本的に高校でやるような手法しか知らんのですが係数ベクトルが一時独立であることをどういえばいいんだ…? というところで30分くらい頭を悩ませました。

P_k(x)-P_k(x-1)=x^(k-1)についてΣをとると、P_k(n)=Σn^(k-1)となるので、いわゆるΣ公式の形をしていることに気付くのにそう時間はかかりませんでした。なのでΣ公式の導出手順をなぞろうかと思いましたが、整数のxで条件成立が言えたとしてもそれを実数のxで成り立つという話に拡張するにはどうすれば? となり混乱。

こう置いて、係数を1個ずつ決定するという発想で一意に定まることをいい、あとはそれがP_k(x)-P_k(x-1)=x^(k-1)を満たすことを示そうかと思いましたが、結局係数がキモすぎてやってられないので没。

そして40分ほど経ったところでようやく気付いたよ。
次数より多くの値を代入して成立していれば、そのまま全実数で成り立つことがいえる。

そう、Σ公式の導出手順をなぞることでΣ公式の唯一性が言えれば、あとはこれが全ての整数について成立しているので、必然k+1個以上の値を代入して成立を確認したことになり、全実数について恒等的に条件が成り立つことがいえるのでした。
なーんだ、じゃあ第一感で方針は合ってて、俺が数学を理解していなかったことが敗因か。

こんなんでも鉄緑SAの上位にはいけます。

なお、Σ公式の導出手順って結局どういうことだってばよという話ですが、これは次のようにするのが一般的かな。

要は、自然数のk+1乗の階差をとったものを総和すると、間が全部消えて最初と最後の項だけが残るが、展開してやるとΣ(k次式) の形になる。あとは数学的帰納法で、1~k-1乗のΣ公式がただ一つ存在することが仮定されれば、Σl^kがk+1次式でただ一つ存在することがいえるのである。a_k=0くらいは断っておきましょう。

Σ公式がただ一つ存在することがいえれば、あとはk次式に関する等式がk+1個の数について成り立ってるから全実数で恒等的に成り立つよね、ということがいえばOK。

(3)

Q_k(x)は具体的にすぐ求まり、P_k(x)が整数c_kを用いて上記に形で表せ、ということらしい。 ん? これ(2)で悩みまくってたときの発想にあったぞw

というわけで楽勝。x=1,2,3…を入れていくとc_1から順に定まっていきますし、常に決定されるc_kの係数は1で、ほかのところにも整数係数しか出ないので整数なのは自明。以上。

なんか先の小問で浮かぶべき発想が先に浮かんじゃっていましたがまあいいでしょう。

(2)は、うっかりP_k(0)=0の確認を忘れないように注意。ほぼ自明みたいなもんだけどね。


第2問 難度:C*****

かかった時間:63分23秒

僕が最も嫌いなタイプの問題です。数Ⅲ計算ダルくてマジで嫌なんだよ

(1)
回転体なので、式自体は2乗してπつければ出る。

部分積分で漸化式立てろってこと? 嫌すぎるな。
三角関数の2乗が被積分関数に現れていたら、まず半角公式で次数を下げるのが手順。

左側はいいとして、右側をどうするか。正直0に収束する気しかしないんですが、それをどう示そうかな。もしかしてこれアレか? 部分積分で漸化式立てるやつか???

嫌すぎるんだけど。

2nとか2lとかが分母に来て間違えそうです。イライラしながらもなんとか漸化式を出しました。

なるほど、0に収束することがわかりやすいですね。しかしここまで書いてようやく気付いたよ。

これでええやんけ……。

要らぬ苦労をしてしまいました。

というわけで答えは残ったこれです。

(2)
y軸回転…だと…?
もちろん逆関数を出すことは無理筋ですし、極限ですから具体的な関数の姿を明示する必要はなく、不等式評価ではさみうちという手が考えられますが、10分ほど考えて名案が思い付かず。
もしかしてバウムクーヘン積分ってやつを使わなきゃいけないやつか!? 他の方法がパッと思いつかない以上もはやこれしか道は残されていません。

それではまずバウムクーヘン積分の証明から…。

区間[x , x+Δx]の部分をy軸回転させてできる立体の体積をΔVとし、またこの区間でのf(x)の絶対値のmax,minをそれぞれM,mとする。
π{(x+Δx)^2-x^2}m≦ΔV≦π{(x+Δx)^2-x^2}M
つまり
π(2x+Δx)m≦ΔV/Δx≦π(2x+Δ)M
となるから、Δx→0のときm,M→|f(x)|だからはさみうちの原理より
limΔV/Δx=2πx|f(x)|

というわけで、


であることがわかりました。なんか絶対値ついてるので区間分割しましょう。

というわけで、とりあえず右側部分の極限が0である証明は(1)と同じようにやるとして、残った左側が問題。絶対値つくのでcos(nx)のところが1+1になって、

これ。わかりやすく区分求積なのでもう一息。

ふぅ…。

計算大変すぎてめっちゃ時間かかりました。こういうのマジで嫌い。

これだから数Ⅲって嫌いなんだよな。


第3問 難度:C****

かかった時間:8分7秒

こんな簡単な問題が第3問に来ていていいのでしょうか。もし前から順に解いていたら危うく爆死するところでした。

(1)
条件整理。2枚以上持っているとき、1枚置く確率はp、2枚置く確率が1-pです。
一巡目で7枚置かれているということは、3人が1枚、2人が2枚置いたということです。
ということでどの2人が2枚置いたかを考えてp^3×(1-p)^2×5C2です。
最大値は普通に微分すればいいでしょう。

(2)
①4人で5枚+5人目が2枚置く
②4人で6枚置く

①の場合、3人が1枚、1人が2枚置いて5人目が2枚置くのでp^3×(1-p)^2×4C1
②の場合、2人が1枚、2人が2枚置くのでp^2×(1-p)^2×4C2

①、②を足してp^2×(1-p)^2×(2p+3)

あとは微分。pの値が汚いですが、最大値自体は求めなくていいらしいです。

(3)
2巡で2枚置くのは確率pを2回くぐり抜ける場合なのでp^2、当然それ以外の1-p^2は3枚置かれます。ということである1人が置くコインの数の期待値は2p^2+3(1-p^2)=3-p^2です。
で、5人いるから5(3-p^2)ですね。

他人が机にコインを何枚置こうが自分には関係ないということさえ読み取れていればメチャクチャ簡単です。

(3)は「独立」という事実があって単純に5倍で済むので、それを必ず記載するように。

殴り書き答案ならマジで8分で書き終わるけど、これくらい丁寧なら15分くらいかかるね。