ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2000年度 東工大後期数学 やってみた

やっと2000年代突入。

第1問 難易度:B

(1)
元が3次式なので因数分解ってことは1次の因数があるはずで、f(x)=0なるxを求めればよいということがすぐにわかります。
色々入れているとf(-a)=0にも簡単に気付くでしょう。これで(x+a)を因数に持ちます。
2次式が出てきましたが、これはどうしたものか。複素数範囲で因数分解するならまだできますが、これが(2)の誘導であろうことを踏まえるとここまででよいでしょう。

ところでこれって答えだけでいいやつか?

(2)
f(x)=(x+a)(xの2次式)となりました。すべてのx≧0に対しf(x)≧0が成り立つということは、言い換えると(x+a)と(xの2次式)の符号が常に同じということです。
ということはx>0において(x+a)の符号変化が起きた場合、同時に(xの2次式)も符号変化せねばなりません。すなわちa<0の場合はかなり限定的となります。
具体的には2次式部分をg(x)として、g(-a)=0が必要です。あくまで必要条件なので同符号という条件、(x+a)が-→+と符号変化するのでg(x)も-→+と符号変化することを踏まえると、g(0)<0が必要十分であるといえます。
(※軸の条件は不要。解の配置で「正負に解が1個ずつ」を思い出してみよう)

a≧0の場合はx≧0において常にg(x)≧0であるという単純な条件が残ります。2次式のmax,minなんて飽きるほどやっているでしょうからこちらもさすがに問題ないでしょう。

B問題だけあって、あまり語ることもない単純な問題です。




第2問 難易度:C

(1)
典型的な、部分積分によって漸化式を導出する問題です。形も単純で、求める漸化式自体も教えてくれているのでこちらはできるでしょう。

(2)
いきなり別の話が出てきましたが、計算過程で(1)を使うのだなということは予想がつきます。
対称性から球の中心を原点に置いて、ひもの端を(1,0,0)とするというのはすぐ思いつくでしょう。ここからひもが通過する領域をどう考えるか。

何も制約が無ければ半径πの球全体となるはずで、邪魔な球があることにより通過できなくなる場所を引こうかなと一瞬思ったけど、それなら直接的に求めるのとやること同じということに気付いたため直接求めることに。

x,y,zのうち対称性が崩れているのはx方向だけでyz方向には対称であるため、この領域はx軸でまわした回転体であることがわかります。言い換えるとxy平面 (xz平面でもいい) でのひもの動く領域を図示し、それをx軸中心に回転させたものが実際にひもの動く領域全体だということです。
というわけでxy平面での図を描いてみましょう。

…と図を描くのはいいですが、境界を表す式が無いとどうにもなりませんね。
というわけで境界の軌跡を求めましょう。

こういう風に、球にひもが長さθだけ巻き付いているとして、そこから紐を接線方向にぴんと張った時の端点の座標の軌跡を考える。
接点の座標は(cosθ、sinθ)なので、接線方向の単位ベクトルは当然(-sinθ、cosθ)で、長さがπ-θであることから
x=(θ-π)sinθ+cosθ
y=(π-θ)cosθ+sinθ
と表される軌跡を描くというのがわかるはず。座標の置き方かθの置き方をミスったのか、なんかθ-πとかいう微妙にめんどくさそうなのが出てきたので、t=π-θとでも置換してすっきりさせましょうか。

x=-cost-tsint
y=sint-tcost

π∫y^2dxを求めるのですが、xもyもパラメータ表示されているので、ここはdx/dt・dtとしてtでの積分に変えてやるのが手順。
その積分の過程で(1)を利用するために、三角関数を全て1乗の形に分解してやる必要があります。
具体的にはsinθ(cosθ)^2みたいなのが出てくるので、(cosθ)^2=1-(sinθ)^2として1乗と3乗に分け、3倍角の公式で3乗を消します… ということをするため計算がめちゃくちゃしんどいですw
第1問がめっちゃ簡単なので、45分くらいかけてじっくりと取り組んで気合で終わらせましょう。

そうそう。最後に球に邪魔されない側の広大な空間、半径πの球の1/2の体積を足してやるのと、邪魔な球自身を引いてやるのとを絶対に忘れないようにしましょう。

A4ノートに書いたので5ページに及びました。途中計算端折ればもっと減るけどね。


疲れたので更新ペース落ちるかも。