ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

1998年度 東大後期数学 (第3問以外) やってみた

有名なアレはどうせ自力じゃ解けないし、有名すぎて答えもう知ってるのでそれ以外の2問で。

第1問 難度:C****

かかった時間:33分28秒

ごく普通の軌跡領域の問題です。

(1)
とりあえずQ(cosα、10+sinα)、R(2cosβ、2sinβ)とおけます。角のパラメータが2個もあると面倒ですが、他にできることも無さそうです。
∠QRSが直角かつRQ=RSであることから、
RQ↑=(a,b)とすればRS↑=(-b,a)もしくは(b,-a)となります。僕はここを少し見落としていて「あれ? 計算ダルすぎない? (長さ求めようとしてた) 」となって少し時間を消費してしまいました。

なにはともあれ、
RQ↑=(cosα-2cosβ、10+sinα-2sinβ)に対して
RS↑=(10+sinα-2sinβ、-cosα+2cosβ)もしくはRS↑=(-10-sinα+2sinβ、cosα-2cosβ)となり、Sの座標は…


たとえば、片方はこうなります。
パラメータ表示された軌跡を求める場合、何らかの手段でX,Yの関係式を出すことが必要ですが、今回はよくわからないので変数ごとに分解してベクトルの合成で求めに行きます。

つまり直感的にこうなるわけでさぁ…

点(10,0)+半径1の円+半径2√2の円ということで、どういうことかと申しますと中心(10,0)で半径2√2の円周上を中心として半径1の円がぐるぐる動き回った時の全体の図形。つまり

ここのドーナツ型。(10,0)中心で半径2√2+1の円と半径2√2-1の円で囲まれた部分です。

もう片方も同様に擦れば (-10,0) 中心で同じく半径2√2+1の円と半径2√2-1の円で囲まれたドーナツ型が出てきます。これが答えです。これは軌跡ではなく領域なのでは? と思いますが、正直私は両者の定義をよく知らないので不安になりながらも間違ってる気がしないのでまあこれでいいんじゃないでしょうか。

なお、パラメータ表示された軌跡は慣れると分解して一瞬で出せるというものが増えてきます。
例えば僕が2ヶ月ほど前にTwitterで見たのは

x=s+t
y=s^2
(0≦s,t≦1)

の軌跡を求めよという問題ですが、こういうのがy=x^2の0≦y≦1の部分をx方向に0~1平行移動と一瞬でわかったりします。ちなみに僕は普通のやり方がむしろわからなくなってますw

(2)
図描くと分かりやすいと思います。


(1)でSの動く領域を求めましたが、そのSが円周C_3上にただ一つ定まるといいます。ということは、C_3と(1)との領域の共有点がただ1点であることになり、2円が接することに他なりません。
2円の位置関係を調べるには、半径の和と中心間の距離を調べるのが簡単です。というかこれしか方法が無いです (他はめんどくさい) 。
接するポイントは全部で4か所あるので答えも4つ出てくるはず。
ただそれだけで難しくはないです。


第2問 難度:C****

かかった時間:33分47秒

1998年度は第3問がバケモンな分、最初の2問が簡単だったという噂自体は聞いたことあります。実際にはそんなに簡単か? と言われると怪しいですが、やることが一本道という点で悩まなくて済むという感じでした。

(1)
単純に計算しましょう。
(sinx)^2が両辺に出るので打ち消して、

これを解けばいいのみ。僕はパラメタθに惑わされてdθって書いちゃっては消しを繰り返しましたがw まあ特に時間もかからずr=2cosθなる条件が出せます。0≦r≦π/4でr>0なので定義域に影響はなし。

(2)

これの通過領域を図示する問題です。0≦θ≦π/4。
xが1個しか無いのでsinカーブの単純な平行移動かなと一瞬思いましたが、θも変数なのでそう簡単ではなさそう。
xy平面上に図示することもあり、xを固定したときのf(x)の値域を探っていく、いわゆる順像法 (ファクシミリの原理) で考えていくのがよさそうに思えます。

というわけでθの関数とみて、f(θ)=2cosθsin(x+θ)の値域を調べましょう。
単純に微分をすれば簡単そう。

すぐにわかるように、cosの加法定理の形が出てきてすっきりします。0≦θ≦π/4という条件を忘れないようにすると、0≦x≦π/2のときθ=π/4-x/2で極大値を取るが、π/2<x≦πのときは単調減少であることがわかります。
そして端点と極値について

f(0)=2sinx
f(π/4-x/2)=1+sinx
f(π/4)=√2sin(x+π/4)

と出てきますから、あとはこのグラフに囲まれた部分がDですよと言ってやればOK。
とかいって、1つ1つのグラフを描くのは簡単ですが、3ついっぺんに書くとなるとどこがどう交わって…というのを判別するのになかなか苦労しましたw

ペイントで描いたので人様に見せるようなものではない随分といい加減なグラフですが、ひとまずy=1+sinxの領域 (極大値の部分) はx≧π/2では定義域外となるため死に条件となることに注意です。π/4とπ/2で境界が切り替わる様子が描けていれば満点が来るでしょう。

(3)
区間を分けて積分しましょう。関数自体はとても簡単なので、あとはミスをしないように気を付けるだけです。
√2sin(x+π/4)はsinx+cosxにバラしたほうがミスが減るかもしれません。
π/2+√2と出るはず。


第3問 難度:D#
インターネットで調べればいくらでも解説記事が出てくるので今更僕が書くようなものでもないし、自力じゃ解けないことは分かり切ってるのでまあいいや。

1997年度 東大後期数学 やってみた

最難関と聞いて。なんと3問ともがD問題です。

第1問 難度:D****

かかった時間:42分40秒

答えは割とすぐに予想がつきますが、論証が難しい問題です。

(1)
こういうのは小さいnで実験してみます。新しく塗ったとこは赤。

a_1=4

a_2=10

a_3=19

このあたりでなんとなく、「a_n-a_(n-1)=3nか?」と予想がつくかと思います。ならばよくわからん数列の最終手段「答えを予想して数学的帰納法で示す」の出番でしょう。

そうは言ってもどう示せばいいのかがよくわからなかった。最初は「形状」の規則性を示そうとしていたのですが、これが上手くいかず。どういうことかというと…

こういう風に、正三角形に台形が3つ引っ付いた形をしていると見ていて

次はこのように正三角形が逆向きになるから、偶奇で分けて帰納法で行けるか? と思っていたのですが、どうにも示せない。あれ?おかしいなと思って様子を掴むためにさらにnを増やしてみる。

うん。いいじゃない。この調子。

ダメでした。
横についているものが台形ではなくなってしまいました。これでは示そうとしていた命題が間違っていたのだから示せるわけがない。n=6までやってようやく気付きました。

そもそも「形状」で帰納法ってなんだよセンスが無くてぽぴれあも大したことないなと思われるかもしれませんがが、僕は元からとりあえず思いついたことを試してみるタイプなので別に最初から正解が見えているわけではないです。いつもは試してみたことがそのまま解答に行き着くことが多いってだけでこういうこともある。
それにしてもこれだけで20分も無駄にしてしまったw


次の手を考えましょう。
とはいっても直接個数を求めるのは形状が不安定な以上難しそうなので、やはりここは「a_n-a_(n-1)=3n」に注目したい。つまり三角形が3n個増えていることを示すのだ。最初からそうするのが普通? そうかもしれないね。

度重なる実験により、なんとなく三角形は「くぼみを埋める (赤丸の部分) 」と「表面から突き出る (青丸) 」の2通りの増え方をするということがわかるはずだ。これらをp_nq_nとし、漸化式を作ってp_n+q_n=3nが示せれば解決するように思える。

1個前でくぼみを埋めるようにできた、突き出るようにできた三角形をそれぞれ赤と青の×印で表してみよう。ちなみにこれらの表現は曖昧なので、実際答案に書く際には「新しくできた辺が1本」と「新しくできた辺が2本」とでも表現してやればよい。
するとくぼみは突き出た三角形の間なので、1辺あたり突き出た三角形の数-1となり、それが3つあるのでp_n=q_(n-1)-3である。
続いて突き出るような三角形はくぼみを埋めた部分とその両脇に平坦な辺ができるのであるため、1辺あたりくぼみを埋めた三角形の数+2であり、それが3つあるのでq_n=p_(n-1)+6である。
両方足してやるとp_n+q_n=p_(n-1)+q_(n-1)+3である。n=1でp_1=0、q_1=3であることから晴れてp_n+q_n=3nが示された。

というわけで漸化式a_n-a_(n-1)=3nも示されたことになる。a_1=4であることからΣをとって、a_n=3n^2/2+3n/2+1となる。ふー。思ったより回り道をしてしまった…。

(2)
こっちのほうが楽勝で、10分で終わりました。が、これは僕が感覚的にこの極限を「1に決まってるだろwww」って感じられるからであって、一般的な高校生は感じられないので難しいのでしょう。感じるためには「無限の前には有限など無力!w」という感覚があればいいのですが、これをすぐ身に着けることは非常に難しいのでこう考えましょう。

極限が存在しないなら例を挙げよと言われていますが、その例ってどういう状態かってのが全然ピンと来ない→じゃあ極限はあるんだろう。

これで良い。受験数学なんてメタ読みです。というか「例を考えようとしたらどうもしっくりこないので、恐らくそれは有り得ないのだろう」という考えのもと、思考の方向性を定めていくというのは非常に賞賛すべき態度だと僕は思います。

では極限がいかなる場合にも存在すると仮定して、どのように考えればいいのだろうか。直接的に求められないのではさみうちの原理です。
ここで、はさむものは大雑把に持ってくればいいということに気付ければあと一歩です。無限の前には有限など無力であるため、仮に巨大な図形を持ってきたとしてもn→∞においては誤差として丸め込まれてしまうイメージ。

つまり、最初に有限個の正三角形が塗られているとして、それらを全て包み込むような巨大な正三角形を考えてやる。

赤が塗られている単位三角形として、それを全て包む込むように巨大な一辺Aの正三角形を考える。なお、このようなAの存在は高校数学段階だと無条件で保証していいでしょう。
さて、この一辺Aの正三角形の内部が全て塗られている状態を初期状態と考えると、b_nというのはここからスタートした場合以下であるのは自明です。というわけで、ここからスタートした場合の塗られた正三角形の個数をc_nとしてこれを求めてやりましょう。

(1)で使ったp_nとq_nを流用すると、まずp_1=0、q_1=3Aです。やたらでかくなっただけでp_(n+1)、q_(n+1)をp_n、q_nで表した漸化式は同じであるため、c_n-c_(n-1)=3(A+n-1)であることが容易にわかります。ということはc_n=3n(2A+n-1)・2+c_0となります。c_0がいかほどかは計算するのが面倒ですが、nの最高次の係数が3/2であるということだけが分かればよろしい。何故ならばn→∞においてa_n/c_n→1であることさえ分かってしまえば、あとは明らかにa_n≦b_nからa_n/b_n≦1であるためはさみうちの原理が適用可であるからです。

というわけで、大きな有限のものではさみうちができるかという問題でした。

ところで、どうやって答案書けばいいんだコレ…?



第2問 難度:D******

かかった時間:71分48秒

久々にこんなに時間をかけてしまいました。本番だとたぶん計算するだけの第3問を先にやって、この問題は終わり切らないと思います。


(1)
単純な図形の最大・最小問題のように思えます。ただし「双曲線の接線がA(x,y)を通るので~」という条件からB,Cの座標をx,yで表そうとすると死を迎えるので、ここはa,b>0なるa,bを用いてE(a,1/a)、D(-b,1/b)と接点を設定して、Aはこれらの点の交点であると考えればうまくいきそうです。なんでx<0のほうが先に来てるんだよ。めんどくさいなw
実際こうするとC(2a,0)、B(-2b,0)となるためかなり単純である。

Aは連立させれば求まりますが、僕は計算が苦手なのでこのAを求めるのにも5分くらいかかりますw
底辺BCは2(a+b)、高さがAのy座標であるため、△ABCの取り得る面積の範囲というのは

これの範囲を求めれば良いことになります。

対称式なので基本対称式a+b、abで表してあとは存在条件(a+b)^2-4ab≧0から範囲を絞ればよさそうか? 

こう変形できて、これはabが大きくなると増加していくので、ab=(a+b)^2/4のときに最大値4、ab>0より面積>2になるのだろう。んー? なんか違う気がするなァ。さすがに実数解条件だけじゃなくてもっと条件あるだろ。違和感があったが、15分ほど悩んでもその正体に気付けなかったため、ひとまず(2)に取り組んでみました。

(2)
△ADEの取り得る面積の範囲を求めます。これは底辺×高さ÷2で求めるには無理があります。ちょっと考えましたが、A,D,Eの座標が全て求まっているので色々考える暇があるなら|det(AD↑ AE↑)|/2で頑張って求めたほうが早そうです。 (高校生にも分かりやすく言うと1/2・|ad-bc|)
D,EはともかくAの座標が大変なので計算は苦労します。だから文字式って嫌いなんだよね。

計算の結果、次のような式が出てきました。ちなみに僕は計算ミスしないようにこういう大変なものは2回ずつ計算しながら先に進むので結構遅く、10分くらいかかる (急ぐとよく±間違える) 。

これが面積であり、これの範囲を求めれば良いです。
ひとまず(a^2+b^2)/abというカタマリがあるのでまずこれの範囲を求めれば良さそうなのはお判りでしょう。割とすぐにこれが2√2であるときに面積が0になるということがわかります。それはさすがに変 (三角形ができないということなのだが、共通接線が無いので有り得ない) なので2√2にはなり得ないということがすぐにわかるのですが、ここで行き詰まってしまいました。
というのも、a+bとabについて実数解条件から絞るアプローチでは(a^2+b^2)/ab≧2であることしかわからず、=2√2を否定できなかったのです。とはいえこれはすぐに解決。いま実数解条件しか見てなくてAが何処にあるかの制約すらつけていなかったので、Aが曲線上に乗っかってしまってる場合も含まれていたわけだ。計算めんどくさいけど=2√2というのはそういう場合で、DやEがAと重なっているから三角形ができていないのだろう。
しかし別の問題が発生! これ、三角形無限にデカくならんか…?
実際、a→∞、b→+0となる場合を考えると

これでDやEが遥か彼方に飛んでいくと際限なくデカくなっていくんですが…? さすがにそれは問題としておかしいので、何か条件を見落としているな。

しかし僕の頭の調子が悪く、この問題を考え始めてから40分経過するまでそれに気付けなかったです。問題文をよく読むと「2点A,Bの間の点D」と書いてあるではありませんか。なるほど、つまりA,D,BやA,E,Cがこの順に並んでいるという制約があったのか! 恥ずかしながら全然気づかなかったぜ!

ということは(1)からやり直さないといけませんね。とはいえもう面積の立式はできているのですから、あとはこの条件を数式にすることさえできてしまえば簡単でしょう。

図を描いてy座標に注目すると、0<1/a<(Aのy座標)が成り立ち、これがA,D,Bがこの順に並ぶ必要十分条件となります。bについても同様。
この条件を整理すると以下の2条件ができます。


なお、時間をかけすぎた焦りからか計算ミスが多発し、a^2+2ab+b^2>0という常時成立する条件が出てきたり、同じ式に対して>0と<0が出てきて存在しなかったりしたが、明らかにおかしすぎるのでミスに気付けたのが幸いか。

結構動揺していたので (実戦ではこうなったら他の問題行きましょう) 式の対称性が崩れてしまったことに対して「あれ? これ基本対称式で考えるルートを外れなければならないのか?」と気付き、新たな方向へ舵を踏み切るのにも時間をかけてしまいました。

対称式ではなくなってしまったが、これは特殊な式の一つである同次式 (斉次式) であります。同次式は文字の比を見に行けばいいというのは常識で、それに気づけば条件を以下のように変形できます。

aとbの立場は同じであるため、b/aに対しても同じ不等式が成り立つはずですが、√2-1と√2+1は互いに逆数の関係にあるのでどうやら計算が合っていそうです。ようやくゴールが見えてきました…!

急いで(1)と(2)を終わらせましょう。

(1)
a/b=tとでもおくと、面積は2(t+1)^2/(t^2+1)となるのでこれの範囲を求めればいい。2+√2<△ABC≦4

(2)
まずt+1/tの値域を求めよう。これは容易に2≦t+1/t<2√2と出る。ああ、<2√2がここで出てきたな。これを面積に代入したら0<△ADE≦1と出てきた。ふー。

久々にこんなに頭を悩ませました。いつになっても受験数学って難しいね。





第3問 難度:D******

かかった時間:41分29秒

確率の問題なのでサクっと終わらせようかと思ったら、俺は今何をやらされているんだ…? と問いたくなるような謎の計算問題でした。
なお、合計時間が150分を遂に越えてしまいました。この年度は私には完答できません!

(1) 1/10000
(2)
要はこの問題は、下4桁が等しい2数が出てくる確率を求めよと言っているのです。N=10001の時は、1と10001は下4桁が等しいのでどちらかが出てくればOK、2~10000は下4桁が唯一無二なので連続で引かないといけないということです。

どうせ(3)で一般的な場合を求めるのですが、(2)ではひとまずp_10001だけを求めましょう。これは10001個のうちの9999個は連続で引かなければならないので(9999/10001)×(1/10001)、1と10001の2個はどちらかを引ければいいので(2/10001)×(2/10001)、まとめると

これが1/10000よりどれだけ大きいかを計算せよという問題です。

嫌すぎ。


もう、何をさせたいんですかねこの問題は。大きいか小さいかだけなら一般化した関数がこの範囲だと増加しているので瞬時に求まるんですが、いかほどの差があるかを有効数字1桁で求めよという謎の要求がされているので何とかして計算せねばなりません。
というわけで……

筆算しましょう。
幸い有効数字1桁なのでここまででいいです。0.0001との差を問われているのですから、丸めると1.0×10^(-8)になってくれることがもうわかるためです。

そこまで大変じゃなかった。

(3)
N=10000+xとしましょう。すると(2)と同じ考え方をすると、10000+x個のうちの10000-x個は連続で引かなければならないので((10000-x)/10001)×(1/10001)、残り2x個は2通りあるうちのどちらかを引ければいいので(2x/10001)×(2/10001)、まとめると

いちいち10000って書くのめんどくさいので今度からはaと書きます。
xは整数値ですが、とりあえず実数全体で定義されたf(x)=(a+3x)/(a+x)^2を考えて微分してやると、x=a/3で極大値であると出てきます。当然これは整数ではないため、実際のP_Nの最大値は近辺のx=3333 or 3334、つまりP_13333またはP_13334のいずれかとなります。最小値は端っこの1/10000なのでこれは容易に分かる。

さて、P_13333とP_13334の大小比較をせねばなりません。

まともにこんなのやってられないので、何とか工夫します。ちなみにあまりに嫌すぎて先に(4)をやろうとしたくらいでした。

まず値がどっちも小さすぎて比較が大変なので、僕は比をとりました。

これと1の大小を見ればどちらが大きいかは判別がつきます。これなら分子と分母を計算して数の大小を見ればいいだけなのでちょっと楽そう。
さらに楽をするために、数のカタマリをXとして簡単な式にすることを目論みます。どういうことかというと登場する数が3333×nにかなり近いので、X=3333として次のように置き換えます。

13333の2乗なんか計算したくないが、これの展開計算くらいならやってもいいかという気になってくる。展開計算すると…

もうお分かりでしょう。分子と分母がほとんど同じですが、X=3333>0なのだから、(分子)<(分母)つまりP_13334<P_13333であることが一目で分かります。というわけでP_13333=19999/(13333)^2が最大値であることがわかりました。うまく文字で置き換えることで、めんどくさい計算を回避することに成功しました。計算を工夫しないとこの問題は死にますw

(4)
ようやく普通の問題か?
イメージとしては、10000~20000の範囲ではそれぞれ1個しかなかった下4桁が2個に増えたのだから確率の上がり幅が大きいが、Nが10000の倍数になるたびに確率が1/10000にリセットされる。そしてその先は、例えば100個ある同じ数が101個に増えたところでさほど確率の上がり幅は大きくはならず、確率の変化を示すグラフの山は小さくなるだろう… ということ。

というわけで、N=10000m+n (0≦n≦9999) と表して、mを固定してnを変化させたときの確率について見ていきましょう。
まず最小値はmの値によらず常にn=0のときの1/10000なのは容易に分かるかと思います。最大値の検討ですが、これは(2)、(3)で考えてきたことを更に拡張して

こうなります。m=1で検算OK。
これをnを実数の範囲に拡張した関数を考えて微分してやると、n=am/(1+2m)のときに最大値1/a+1/{4am(m+1)}を取ることが分かります。当然n=am/(1+2m)というのは整数ではありませんが、今回はそれでも良いことにします。何故なら整数の範囲でnを動かしたときの確率の最大値というのはこれ以下であるため、n=am/(1+2m)での値がp_13333以下であるならば必然的に示すべきp_N≦p_13333も示されるからです。
さらにこの最大値はmに関して単調減少であることが見れば分かるため、m=2の場合 (m=1の場合は(3)で考えた) の最大値25/24×1/aつまり1/9600がp_13333以下であることを示せばよいです。

つまりこれを示したい。


変形して、19999×9600と13333×13333の比較。もう最後なので何も考えず計算しちゃえばいいでしょう。

19999×9600=(20000-1)×9600=192000000-9600=191990400
13333×13333<13500×14000=189000000

数に関する大雑把な感覚を持っておくとこういう雑比較でよくなるので便利です。

このような計算の工夫をしても (そもそも工夫のやり方を思いつくのに時間がかかるなどで) 40分以上かかったので、本当に骨の折れる問題でした。もしかしたら何も考えずに愚直に計算したほうが総合的に早かったのかもしれません。

電卓使えよ以外の感情が無い。


整数問題で整数係数の多項式を見たら定数項に注目せよ 【東工大AO2009-2】

例えばf(x)=x^3+6x^2-3x+14みたいな関数があったとして、x=2nならばf(x)は2の倍数になるし、x=7nならf(x)は7の倍数になるし、x=14nならf(x)は14の倍数になる。逆に例えばx=15nとか入れてしまうとf(x)は3の倍数にも5の倍数にもならないというそういうお話です。当たり前すぎるだろと感じるかもしれないが、実は整数問題においてこの事実が威力を発揮することがたまにある。

今回は2009年度東工大AO入試で出題されたこの問題を紹介しようと思う。


まず東工大AOってなんやねん。AOって「アホでもOK」の略か???wwとか言ってる一般入試至上主義の学歴厨のために簡単に解説しておくと、東工大AO入試とは2007年度よりスタートした数学がめちゃくちゃ出来る者のみを集めるための選抜であり、なんと5時間で4問の問題に取り組むという数学オリンピックもびっくりな選抜方法で本物の数強を厳選する入試である。 (実際には前半後半に分かれて2時間半で2問ずつ)
当然、そこで出題されるのは単純計算で1問に75分という恐るべき長時間をかけるにふさわしい難問たちで、一般の受験生には手も足も出ないような問題も多い。なお、この選抜により確かに数強が集まったが、ホントに数学しかできない奴らが集まって語学留年が大量発生したため、わずか5年で廃止となった。


さて、問題を見てみよう。この数列に素数がただ一つだけ現れるような初項c_1を2つ見つけろと言われている。一体どうすればいいのだろうか?
ここで今回のテーマを思い出していただきたい。漸化式の定数部分に注目すると-7とある。そして7は素数であり、c_1=7とするとc_2以降はすべて7の倍数になるということにお気づきかと思う。ということで答えの1つは7である。なんと一瞬で1つ見つかってしまった。
そして同時に「c_2以降がある一定値の倍数である」というものは7以外に無いということがわかる。例えばc_nが3の倍数ならc_(n+1)は3の倍数ではなくなるから。なのでもう1つの答えは別のアプローチから見つけなければならないのだなということがすぐにわかるのだ。

もう1つの答えはどうせc_1が素数なんだろうという決め打ちから色々試してみると、さっそくc_1=2であるならばc_n=8^(n-1)+1となり、ここで8^n+1=(2^n+1)(4^n-2^n+1)と因数分解できることによりc_2以降が合成数であることが分かる。これは難しいが時間がたっぷりあるのならば辿り着けなくはない。

というわけで答えは2と7である。他にもあるかもしれないが見つけるのが大変すぎるのでこれ以上の追究はしないでおく。

もちろんこの漸化式は実際に解けて、c_n=(c_1-1)・8^(n-1)+1となり、この形ならc_1=2の場合には気付きやすいかもしれない。だが、ひとたびこの形にしてしまうと逆にc_1=7の場合がぼけてしまう
最初の漸化式だけを眺めていたら割とすぐに気付けるのかもしれないが、この漸化式が簡単に解けてしまうばっかりに一度解いた後の形を見てしまうと思考がもうそこで固定化されてしまってc_1=7に気付けないということは有り得なくはない。やはりc_1=7は初手の第一感で直ちに見つけておきたい。
その第一感を鍛えるために日頃から整数問題で何の倍数約数を考えようかなというスタート段階で定数項に注目するという癖をつけておきたいのだ。

以上。

【検証】京大整数はmod3でどれだけ解けるのか?

京大数学の整数問題はmod3で解ける。

大受験生で知らない人は相当な情弱と言っていいレベルに浸透している京大数学攻略法の一つです。京大は論証を重視するため初等幾何や整数問題などの論証重視の題材を好みますが、京大の整数問題はマジでmod3を考えれば一瞬で片付くため、世の「高校数学において整数分野は難しい」という風潮に反して京都大学の整数問題は30点がタダ取りできるボーナス問題と言われていたりもします。

でも実際受験生の方々はこういう不安があるのではないでしょうか。
ホントにそんなにmod3で全部解けるんか???
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case1 2022年度理系第3問


2024年現在、最新の京都大学の整数問題です。京都大学らしいシンプルな1行問題です。もちろん京都大学なのでmod3を疑います。
事実、nが3の倍数でない場合は偶数乗すると1と合同となるため、+2すると3の倍数になります。というわけで最大公約数は3なのでは? という予想が立ちます。
しかし簡単なnについてこの予想はさっそく打ち砕かれます。n=2のとき3つの数はそれぞれ6、18、66となりこれらの最大公約数は6なのです。
もう1度3つの数を観察してみると、nの偶奇によって全て奇数or全て偶数が違ってくることが容易に分かります。何故そう感じるのかというと、定数項が+2であるからです。

(参考)

popirea-vol2.hatenablog.com


ということでmod2も重要になってきそうです。
mod3とmod2が重要ということで最終的に6で割った余りで分類するのが良いのではないか? という結論が得られます。

事実、n^4+2=(n^2+2)(n^2-2)+6であることから、最大公約数は6の約数に限られることがわかります。あとは3で割れるか2で割れるかを分類してやればよいのです。

さすが対策が進んだ現代においてはmod3だけではなく一ひねり加えているようです。
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case2 2021年度理系第6問(1)


どうやらmod3の出る幕はなさそうです。
そのまま考えると何すりゃいいかわからなさすぎるので、対偶命題「nが合成数⇒3^n-2^nが合成数」を考えましょう。これはn=pqと置けたとして、3^pq-2^pqが3^p-2^pで括れそう (というか括れなかったらもはやどうすればいいのかわからない) という決め打ちをもとに話を進めていきます。
実際


因数分解できるため、p>1から各項は2以上なので素数ではありません。
考えづらい人は、3^p=A、2^p=Bとでもおいて、A^n-B^nと考えてやればA-Bで括れるのがすぐわかるかと思います。

結局mod3の出る幕はありませんでした。
これで1勝1敗です (何が) 。
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case3 2021年度文系第5問

2021年度はこちらにmod3がありました。もうあまりにもmod3すぎて目の肥えた京大受験生なら問題文を読み終わる前に証明できます。具体的にはpが3の倍数でないならばp^4が3で割って1余るので、3で割って2余る数である14を加えると3で割れるようになるということです。p=3は別途考えて終わりです。

2勝1敗。
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case4 2020年度理系第4問


これまでの約12倍という圧倒的文章量により問題文を読むだけで多大な労力を要するので捨て問に見えます。京都大学の数学は見開き1ページですべての問題を収めることが法律により義務付けられていますが、2020年度はそれに違反したため入試問題として不適切な難易度であると批判されたことは一部界隈で有名です。

問題文の言っている意味がよくわかりませんが、要するに「m^3+n^2+n+3は3で最大何回割り切れるか」と言っております。
最大値を問われているので、とりあえず1回じゃなさそうで、2回となる場合をまず考えてみます。ということは9で割り切れるということなのでmod9を考えてやると、m^3部分は0、±1としか合同になりません。ところが後ろにくっついているn^2+n+3は±1と合同になり得ず、またnが3の倍数でないという条件付きだと9で割って2余る場合にのみ9で割り切れるため、「mが3の倍数かつ、nが9で割って2余る数」であるときにのみf(m,n)が9で割り切れることがわかります。これはだいぶ絞れました。

次に3回となる場合、mod27を考えましょう。当たり前ですが27で割り切れるにはまず9で割り切れないと話にならないので先ほど求めたm,nに関する条件は生きています。
mが3の倍数なのでもうそこは27で割り切れるでよくて、後ろにくっついている部分を考えます。もうnは2と11と20と29しかないのですぐ調べ終わりますが、n=11の場合のみ27で割り切れます。

どんどん行きます。n=11のときに後ろの部分は81で割って54余ります。ということはm^3部分が81で割って27余ればよいのですが、そのようなmは3、12、21、30の4つのみ。ちなみに調べ方はm=3m'として27m'^3=81n+27なのでm'^3=3n+1となるにはm'≡1 (mod3) とすればよろしい。

次、243。n=11のときに後ろは135余る。というわけでm^3を243で割って108余る。
27m'^3=243n+108
m'^3=9n+4
m'=1,4,7,10を代入して遂にどれを代入しても満たさなくなりました。ここで打ち止めです。

というわけで最大値は4で (81ではない) 、(m,n)=(3,11)、(12,11)、(21,11)、(30,11)

難しいですが、mod3を活用したのは事実です。これで3勝1敗。
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case5 2020年度文系第3問

16で割ると書いてあるのでmod3だとダメそうです。恐らくこれはパターン暗記だけで数学に取り組もうとしている我々に対する京都大学からの警鐘でしょう。

このままだとよくわからないのでf(m,n)=(m+1)n^2+am^2+8とでも変形してやりましょう。aが奇数とあるため、mが奇数だとam^2が奇数、(m+1)n^2が偶数となりアウト。mが偶数であることが必要です。同様にnが奇数だと全体が奇数になるのでnも偶数であることが必要。
続いて、mやnが4の倍数であるならば2乗したら16の倍数になるということ&4の倍数でないならば2乗したら16で割って4余る数になるということに気付く必要があります。何が言いたいかというとm^2、n^2の係数である(m+1)やaは奇数であることを踏まえると、mod16で4+4+8の形にならないと16で割り切れなくなるため、mとnは両方4の倍数でないことが必要である。
そこでm=4m'+2、n=4n'+2とでもして実際に計算し、16で括ってやると

となるのでaが4で割って3余る数なら16で割り切れるらしい。

3勝2敗。
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case6 2019年度理系第2問

定数項が2なのでこちらはmod3ではなくmod2 (偶奇) に注目するのが第一感です。今回はmod3でないため当然この問題は捨て問レベルの超難問です。大数評価Bらしいですが、そんなはずはありません。

連続2整数を代入するとどちらかが偶数になりますから、素数という条件からf(x)=±2を解いてx=0,-2。これの周囲であるx=-3,-2,-1,0,1を調べ上げましょう。驚くべきことに全部素数となるのでn=-3,-2,-1,0の全部が答えです。

3勝3敗。
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case7 2018年度理系第2問、文系第3問

方針立てにかける時間は問題を一瞥する0.5秒で十分でしょう。
n^3-7n+9=3を解いてn=1,2,-3。
この年度は他の問題がなかなか難易度が高いものの、実質150分で5問を解く回であり時間の余裕があるため、落ち着いて取り組むことができたのではないかと予想されます。

4勝3敗
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case8 2016年度理系第2問

p,qが奇数だと全体が偶数になるので少なくとも一方が2であることが必要で、とりあえずp=2とすると2^q+q^2となりmod3を考えると以下略。ちなみに57は素数であるため(p,q)=(2,5)、(5,2)で得られるこれも正解になるはずですが、そう書いた受験生が軒並み自己採点より30点低かったらしいです。これにより京都大学に問い合わせが殺到したことは有名ですが、未だに大学当局からの公式声明はありません。

5勝3敗
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case9 2014年度第5問

もう出てくる数字が3の累乗しかないので仮に(出典:京都大学)の表示がなくともmod3の活用を思いつけそうです。
a,bが3で割り切れないという条件が無ければ243=3^3+6^3が割とすぐに思いついて、あとはそれ以下の数値を全部しらみ潰せば最小性が示せてしまって問題にならないのでバランス調整のために条件がついています。ほんとか?

a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)としてやると、a^2-ab+b^2が9の倍数にならないのでa+bが27の倍数であることが必要で、最小をきかれてるのでとりあえずa+b=27を考えたらど真ん中の14,13のときに最小値365が出ます。

しかし使ったのはmod9であってmod3ではなかったため敗北です。
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実はもっと遡ると「nとn^2+2がともに素数になるのはn=3に限るのを示せ」とかの簡単すぎるmod3問題が結構出てくるのですが、そろそろ飽きてきたので10年分遡ったところで終わりにします。

最終的に9問中、mod3を活用する問題が5問でした。5割強の問題がmod3で解けましたが、当然一発勝負の大学入試において5割強程度の確率に全てを委ねるのは非常に危険であるため、mod3以外の手法も積極的に学んでいかなければならなさそうです。まずはmod2を使いこなせるようになろう!

マスターオブ積分Ⅲ【東大2019-1、2014-3、2021-3】

今回は計算問題のお話。

東大・京大レベルとなると数学といえば文章題がほとんど。問題の要求からどのようなアプローチをすればいいのか? ということをまず考え、自分が既に知っている手法を当てはめたり、思いつかなければ試行錯誤によってとるべき道筋を導き出し、計算や論証を駆使しつつ解答へと至っていく。そういうものだというイメージがあるでしょう。逆に単純な計算問題なんて簡単なものは出ない……?

いいえ、計算力が非常に重要な分野がありますね。たとえば数Ⅲの積分を用いた求積です。軸に平行な面で立体を切断し、断面積を考えてそれを積分るっていうアレです。しかしこれも確かに計算が重要であることは間違いないのですが、断面積を考えるという段階に一定の難易度があり、ただ「計算するだけ」とは言えないような…? さすがは旧帝大。そう簡単に計算だけで点数をくれるわけではないようです。

!?

2019年東大数学第1問。
本当にただ計算するだけというシンプルすぎる問題。それまで東大数学=難しいというイメージを持っていた一般民衆に対しこのシンプルな問題は絶大なインパクトを与えました。
この問題を見た大人たちが「東大ゆとり化wwwww」とか「これが日本最高峰の大学wwwwww」とか色々言いたい放題言ってたのは皆さんの記憶にも新しいでしょう。

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ちなみにただ計算するだけなのでさぞかし簡単なのかと思うかもしれませんが、実は難易度的には2018年度の第1問のほうがよっぽど簡単だったりしますw


パッと見て簡単ですが実際簡単です。東大受験生で解けなかったら恥ずかしいレベルです。
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まあそんなことは置いといて、では実際試験場で「さあ数学を解くぞ」となってページを捲って真っ先に目に飛び込んできたのがこの問題だった時あなたはどう思うでしょうか。

おそらく安堵するでしょう。まず第1問から取り掛かるのは自然なことだと思うのですが、その第1問がただ計算するだけという問題。
さすがに何か罠があるのでは?と一瞬身構えることはあるかもしれませんが、ひとまず手も足も出ないという最悪の事態は免れたと感じることでしょう。

で、まあ計算すると思うんですが答えが出ました。あなたはここで何を思うでしょうか。
恐らくめちゃくちゃ怖いんじゃないかと思います。答えはπ/8+5√2/2-35/12なんですけど、あなたはこれが合ってるって確信を持って言えるでしょうか?

東大数学は大問6個構成で120点満点。個別の配点は公表されていませんが、1問20点であると考えるのが自然で、どこの予備校もそういう想定で考えています。
実は第3問と第6問は解答用紙のスペースが2倍あり、作業量が多い問題が出やすいという傾向があるため大問1,2,4,5が18点、大問3,6が24点とかなんじゃないかという説もあります。実際計算するだけの問題と死ぬほど難しい問題とが同じ20点なのか?と言われると怪しいので、もしかしたらこの問題の配点は15点くらいしか無いのかもしれませんが、ここで重要なのは仮にそうだとしても15点って結構デカイよねっていう話です。

この問題が仮に15点満点だったとして、答えを間違えた者にどれだけの部分点が与えられるでしょうか?
計算せよというシンプルな問いなのですから、答えを合わせることそのものに大きな比重が置かれているということは容易に想像がつくでしょう。数学は答えそのものよりも、途中経過や論証が重要!とはよく言いますが、ただ計算するだけの問題で論証がそこまで重視されているとは到底思えないので答えを外したらいくら途中の計算経過を丁寧に書いていようが、10点くらい引かれても文句は言えません。

化学で計算がややこしくて値を間違えたとか、英語でリスニングが聴き取りづらくて3問ほど飛ばしたとかそういうやらかしをしても失点は精々3点とか6点とかそんなんです。それがこの問題で答えを合わせられないともしかしたら10点とかそんなレベルで点数が吹き飛ぶかもしれないのです。当然受験生は試験時間中、この事実に嫌でも気付いてしまいます。

この問題を「簡単すぎw」と断じる人はメンタルの影響を無視しているものだと思います。この問題は見るからに絶対落とすわけにはいかない問題です。合格するような受験生はこんなもん満点取るに決まってるとは誰もが直感するところです。それではあなたは定積分計算を100回中100回合わせられるのでしょうか。
この問題はそりゃ家でゆっくり解けばめちゃくちゃ簡単なんですが、東大側はこの問題を出題することによりむしろ受験生のメンタルを試しに来ているのではないかと僕は感じてしまいます。なんせ誇張抜きにこの定積分計算には人生が賭かっているのですから。

……というわけで、計算問題は非常にメンタルが試される、計算力が人生を左右するということがなんとなく分かったかと思います。重要なのは計算速度もそうなんですが、死ぬ気で計算を合わせることです。計算ミスを減らすための工夫は最大限に行いましょう。

それではどのようにして計算ミスを防げばいいのだろうか?


①丁寧に項を分ける

当たり前ですがまず積分するために被積分関数を展開します。
この時に横着せずに1つずつ丁寧に展開すること。そしてこういう簡単な展開でも本当に合っているのか1度確認すること。

こんなところまでいちいち確認してたら時間足りなくなるだろ! という声があるかもしれない。なるほど一理ある。
しかしそれに対する僕の意見はこうだ。
「どうせここで確認せずに5分短縮しても、最後の5分で出来ることなんて見直しくらいしかないんだから、一からまた計算し直すくらいなら今それを逐一やっておけ」

見直しをするのは自分の出した答えに自信がないからだ。いちいち丁寧に確認していて、最終的に出した答えがさすがに間違っていないだろうと確信が持てているのなら、もう一切その問題については見なくてもいいはずだ。
日頃からこのように丁寧な見直しを行い、1発で自信を持って正答させる癖をつけておこう。うっかり変なとこに2乗つけてたりとかは、よくある。

②1つ1つ積分する
∫[0→1]x^2dx=1/3なのはもはやノータイムで出せるレベルの常識なので、さすがにそれを丁寧に計算しろとまでは言わないが、例えば最初の2項について

こう一気に書くのもいいが、

よく間違えるようなら、こういう風に1個ずつ分けて丁寧に書いてもいい。
遅くはなるが、うっかり間違えるよりよっぽどマシ。丁寧にやりすぎて逆に間違えるというのもあるかもしれないので、そこは自分なりに調整していこう。
計算なんて自分がやりやすいようにやればいい。

ただ、4項全部一気に計算するのだけはやめておいたほうがいいと思います。流石に頭こんがらがるからね。

それでは第3項。

部分積分で次数を下げていくのだが、第2項の結果が使えるため計算がショートカットできる。1項ずつ分けて考える効果が出ているのが分かるだろうか。
僕は計算よくミスるので、脇に(1+x^2)^(-1/2)の微分結果を書いておかないと途中の係数を間違えそうになる。

最後に第4項。


∫[0→1]1/(1+x^2)dx=π/4ってノータイムで即答できるレベルの常識なんですけど、こういうのってどこまで過程書けばええんやろうな。
ちなみに計算用紙に書くノリで書いてるので、実際の答案でこんな感じで書いたら変かもね。

あとは出てきた項を全部足し算しましょう。何足せばいいんだっけってならないように、最終的に出てきた数値を四角で囲むとか星印つけておくとかそういうのでわかりやすくしときましょう。 (計算用紙なのでそういうのは好きにやっとけばいいです)

こんくらい丁寧にやっとけばミスらんでしょう!

大事なのは本番ではない、演習の段階でも死んでもミスらないという意識です。ミスったら頭を撃ち抜かれて死ぬみたいな緊張感をもって日々の演習に取り組みましょう (?)


なお、計算問題と言えばこの問題が話題ですが、実は東大にはたびたび計算するだけの問題が出題されています。

2021年第3問。


(1)は出来ないと恥ずかしいです。教科書の例題レベルです。
わざわざ「ただ1つ存在することを示し」とあるので、「xの値についてyの値がただ一つ定まるため、交点の数は方程式を解いて出てきたx座標の数に等しい」とでも一言書いておくと丁寧かなと思います。

(2)は次を計算せよという問題で、これもただの計算問題です。

有理関数なので用いる候補に挙がるテクニックは限定されますが、計算量は見た目通り非常に多くヘビーな問題です。

また、僕が受験した2014年度の第3問も計算問題でした。

これの(1)と(2)はやっぱりできないと恥ずかしい問題で、本番は(3)の計算問題です。


さっきまでと比べると楽そうに見えるかもしれませんが、実際には結構面倒です。

ざっと2問挙げてみましたが皆さんできるでしょうか?

思い出のある2014-3からやりましょう。
まず√(2次式)の形が出てきたら三角関数置換を行うというのは常識です。ほかにも円の一部分を疑うということもあります。
2次式の部分を平方完成すると-(u+1)^2+3となるため、u+1=√3sinθと置くとうまくいきそうです。積分区間を見ると意味深に-1-√3~-1+√3であることからも、この方針で合っていそうで安心です。

うっかり間違えないように、先にu+1でまとめてから置換しました。√(1-sin^2θ)は正確にはcosθではなく|cosθ|ですが、積分区間的に絶対値が外れるので略 (実際には書いたほうがいいかもね) 。

あとはこれを計算すればよい。もちろん、1項ずつ計算しよう。

分けてみれば一つ一つは大したことがない。実は2個目は奇関数なので計算せずとも0であることがわかりますが、幸いにも微分形が横にくっついている形で原始関数が一瞬で求まるため気付かずとも大きなロスにはなりません。なので焦ることはないでしょう。

1個目は2倍角でsin2θの2乗にし、3個目ともども半角公式で次数下げをする典型的な形なので慣れた人間なら恐らくもう大丈夫。1/2がガンガン出てくるので係数を間違えないように。(9/8+3/2)πで21π/8と出てきます。

ちなみに大数評価Cだけど25ヶ年評価は堂々のA。まあそりゃ計算自体は非常に基本的といえばそうだけどさ……。

次に2021年度第3問。

全体についている2乗がパワフルすぎます。実戦なら見た目がいかつすぎるのでそもそもこの式が本当に合っているのか??? というのが気になって2分くらい再計算してそうですw
しかしどうやらこれを計算するしかなさそうなのでやるしかありません。

ひとまず2乗をバラして3項に分けよう。

僕は本番でこうなったらここからの想定時間20分と考えます。いやホントに試験終了ギリギリなら頑張って10分くらいで終わらせるんですが、それくらいの超スピードだとどうせ間違えそうなので本当は20分欲しい。

とりあえずダントツで楽なのが3つ目で、

実戦だとひとまずここをまず終わらせる人が多いかと思いますが、これ以降の計算が重すぎてどうせごちゃごちゃしてくるので、最後に何足すんだっけ… というのを見落とさないように四角で囲むとかなんとかして目印つけときましょう。

さて1個目と2個目が大変です。とりあえず1個目から行きましょう。
有理関数の積分は以下の手順を取ればよいことが知られています。

①次数が(分子)≧(分母)ならば、割り算により分子を軽くする
②必要ならば部分分数分解により和の形にする
③あとは1つずつ処理。特に使うのは
1/(2次式)→tan置換 (arctan)
f'(x)/f(x)型→log(f(x))

大変だが、有理関数はすべてこれで積分できるので頑張りましょう。
1つ目からいきます。これは部分分数分解が必要でしょう。

そもそも部分分数分解のやり方を知らんという人も多そうなので簡単に説明しておくと
①分母が1次式のとき、分子は定数
②分母が2次式のとき、分子は1次式
③分母が累乗のとき、1乗から順番に項を作っていくが、分子はそのまま

特に累乗のとき、分母につられて分子の次数も増やしてしまいそうになるが、そのままです。
この原則で行くと今回分子はax+bとcx+dで置くべきな気がしますが、分子はx^2だけで奇数乗の項がないため、どうせa=c=0になることがわかっていたため定数としました。別に1次式で置いてもいいです。


簡単な係数比較によって

となります。次なる課題はこれの積分です。まだ終わらないのかよ……。
x=√3tanθと置換することにより…

これで計算できたので、あとは係数を掛けて足し引きしてやると、√3π/12-1/4となるらしい。

まだ終わらんらしい。ラスト、2項目のこれ。

ひとまず、分子が重いので次数下げをします。さらに1次の項と定数項で分けてやると……

f'(x)/f(x)の形と、さっき計算したやつが出てきました。ようやく終われるらしいです。
ここでミスって∫[-3→1]1dx=-2とかするとすべてが終わるので油断しないように。

これで全て出そろいました。印つけた
√3π/12-1/4
-1+1/8・log3+√3π/8
1/12

全部足して答えは5√3π/24+(log3)/8-7/6となります。

誰が合うんだこんなもん。






大阪公立大学 数学 2024年度 やってみた

1か月前にインターネットのクソガキネト友に頼まれて1問だけやってみたんだけど、どうやらこのブログに辿り着く人は「大阪公立大学 2024」とかでググってる人が多いとアクセス解析に書いてあった。僕の思った以上にハム大の需要は高かったらしい。
というわけで他の問題もやってみるか… というお気持ち。

問題はTwitterで誰かがあげているのでそれをどうぞ。


第1問
背景は高校範囲外ということになっているが正直みんな知ってるアレ。

問1
さすがにできないと困ります、

2階微分するとf''(x)≧0になるのでf'(x)が単調増加、f'(0)=0なのでf'(x)≧0となりf(x)も単調増加で、f(0)=0なのでf(x)≧0となり不等式が示される。

問2
ひとまず(1)を利用し、

この形にすればΣが簡単に取れるため、はさみうちの原理の利用が考えられることは分かるでしょう。では上からは何を挟むのか…?

これは(1)をヒントに、有名事実sinx≦xを使えばよく、これでΣk/n^2で挟めます。あとはΣkとΣk^2の部分をバラせばおk

答えは1/2になるはずです。

問3
いきなり意味不明すぎるので恐らくまた(1)が誘導になっているのだろうという感覚は持っておきたい。

不等式を使ってsinxを挟んでやれば

これなら具体的に計算できます。
面倒そうな左辺を計算してみましょう。

これにn^αを掛けたものを考えるのですが、不定形解消のためこのように括ってやるとわかりやすい

括弧の中身が定数に収束するため、これなら不定形になりません。α>3/2で∞に発散なので、追い出しの原理からb_nも発散。α=3/2で2(2√2-1)/3に収束し、α<3/2なら0に収束です。
右辺もそうなるので、あとははさみうちの原理でOK。

第2問
個別で書いたのでこちらを見てください。

第3問
問題文が既に面倒なので嫌になってきます。

問1
とはいえこれはさすがに取っておきたい。基本的な部分積分で、前半部分の答えを後半部分に使うやつです。

答えのまとめ方はお好みで。

問2

半円上を長さπの線分が滑らずに回転する軌跡を求めよということらしい。
滑らず移動の時、移動距離がハミ出した線分の長さと同じというのは常識です。
つまり……

点Aと接点との距離はθであり、また線分ABは半円の接線であるため中心から接点を結んだベクトル(cosθ、sinθ)と垂直であり、その方向ベクトルは(sinθ、-cosθ)である。
というわけでA(cosθ+θsinθ、sinθ-θcosθ)と分かります。

問3
この問題の核部分ですが、絶対めんどくさいので本番では捨てていいでしょうw

dx/dtとdy/dtを求めて、θ=π/2でxが折り返すことが分かるので軌跡の概形をめっちゃ適当に描くとこうなる。
求めるのは面積なのでこれくらいの適当さでいいですw
求める面積は、次のようにy_1とy_2というものを考えてやると

このようになる。 (∫(x+1)dyでもいい)
当然、このまま積分は出来ないからパラメータ表示に直して

こうなる。
問1を利用するために変形すると

これで問1で求めた形になってくれた。

一気にやるのではなく、1つずつ分けて計算すると計算ミスが減ると思っている。
sin部分はどうせ0になることに気付けば、cos部分だけ考えればよい。

あとは、最後に1/2するのを忘れないように気を付けると、π/2+π^3/6が答えとなる。

第4問
整数問題って難しいよね。

問1
q=apを1つ目の式に代入して1文字消去しましょう。
5p^2+2p=(ap)^2+5apになるので
(a^2-5)p^2+(5a-2)p=0
p≠0から、p=(2-5a)/(a^2-5)です。qはそれにaを掛けてもろて。

問2
証明ばっかりでめんどうだな…。

1.
a=m/kを代入してみると見えてくる。

これが、5m-2kが5k^2-m^2の倍数ならば整数であることを示せ、と。ん、自明

qについても、pにm/kを掛けたものなので分子に乗ってるkがmに変わるだけ。

2.
逆が成り立つかどうかの証明。分子に乗ってる単独のkやmがm^2-5k^2を両方約分できてしまうと5m-2kが5k^2-m^2の倍数にならないかもしれない。
しかし、m/kが既約分数ということでmとkの最大公約数が1であるため、両方約分できてしまうということにはならない。というわけで示された。

3.
突如出現した121の意味が分からない難問。
ここまでで5m-2kが5k^2-m^2の倍数であることを示したので、これは5m-2k=121に限ることを示せということなのだろうか?
だがこの方針で向かうと詰む。何故ならk=1、m=2を代入してみると5m-2k=8、5k^2-m^2=1となり、5m-2kが5k^2-m^2の倍数であるのに5m-2k≠121であるからだ。偽の命題が真であることを示そうとしても詰むのは当然だ。
では121=11^2であることから、恐らく5k^2-m^2が1,11,121の3通りに限られることを示せということなのだろうか?

……と思ったのだが10分考えても全然何すればいいのか分からなかったので別の手を考えることにする。

まず、5m-2kが5k^2-m^2の倍数ということだが、よく考えると大抵の場合5m-2k<5k^2-m^2になりそうなので、そもそもこうなる状況自体がかなり限定されていそうだ。
というわけで一旦121のことは忘れてm、kの候補に制限をかけにいこう。

自然数nを用いて5m-2k=n(5k^2-m^2)と表せるとしよう。因数分解ができれば強いのだがなぁ…。
mとkでまとめてみよう。
m(5+nm)=k(2+5nk)
kとmが互いに素であるため、整数pを用いてpk=5+nm、pm=2+5nkとなる。これはちょっと進歩した気がする。
pが頭に乗っているが、これで5k^2-m^2を計算しよう。

お、121が出てきた。
さらに残りの部分も5m-2kと5k^2-m^2で括れて、いい感じである。
5m-2k=n(5k^2-m^2)であったから、これで消し去ると

完成!

pもnも整数であると置いたから、121は5k^2-m^2の整数倍、つまり121は5k^2-m^2の倍数であることが示された……。

終わってみれば互いに素という条件で制約を掛けにいくという方針だった。僕は整数は得意なんだけど完全にノリでやってるので正直あんまりこの辺のことはよくわかってないw

以上。僕は第2問で1時間以上かかったけど、他は1問20~30分程度。これ試験時間何分だっけ… 時間内に終わってないかもね。

定数分離は1次式を残したほうがいい場合がある 【1997年度東大数学 第2問】

文字定数を含む方程式の解の個数を調べるために、定数分離というテクニックを使うことがある。最近だとまさに東大2024の第4問(2)で定数分離を用いる典型的な問題が出た。

(方程式)=aの形にしたあと、y=(方程式) と y=aのグラフを描き、共有点の個数が解の個数になるということでグラフさえ描ければ楽勝で解の個数を求めることができるという強いテクニックだ。

さて、そんな強力な定数分離だが、実は定数を分離しきらなくてもいい場合というのがある。それはどういう場合だろうか?

今回は1997年度東大数学第2問がおあつらえ向きだったので簡単に説明してみる。

この問題は、2次関数という分野で最強の難易度を誇る問題として有名だ。
2次関数として処理するならD<0で1/(2n+1)<a<2n+1という十分条件を出したあと、a≧2n+1が条件を満たさないことと、0<a≦1/(2n+1)が条件を満たすことを別途考えなければならない。 (a>0が必要なのはm=0代入で割とすぐ分かる)

しかし、見方を変えてこの問題を定数分離を用いて解くと比較的簡単に解ける。

こうするのだ。

不等式から分かる通り、整数のmについて、この放物線が直線より上にあればよいということになる。そしていつもは定数aに応じて直線が上下に動いていくのだが、今回はaに応じて直線の傾きが変わるのだ。
まずy<0の部分は-1<m<0であるためここで交わろうが関係なく、またa≦0だとm=-1で不等式が満たされないことが自明であるためa>0が必要で、このあと直線の傾きを0から増やしていく際に放物線に接するまでずっと条件が満たされるということがわかる (そもそも交わらないため) 。

では放物線に接するaとは何だろうか? 判別式D=0を解くとa=1/(2n+1)、2n+1と出てくるが、1/(2n+1)のほうはy<0で接する場合であるため、関係なく、a=2n+1のときに接するためこれより傾くと直線が放物線の上側に来る時が訪れてしまうということになる。
そして、a=2n+1のときの接点は(n、n^2+n)であることに気付くと、a≧2n+1の場合はm=nで条件を満たさず不適であることがすぐわかる。

よって、答えは0<a<2n+1と出た。

実はやっていることは2次関数の問題として考えた時と一緒で、あくまで今回はそれをグラフで視覚的に捉えたにすぎない。ただし、式だけで処理したときに0<a<1/(2n+1)のときは-1<m<0の範囲でしか不等式が崩れないため適するという本問最大のポイントの分かりやすさに天地の差がある。やはりグラフは強い。

さて、もう気付いたと思うが今回定数を分離しきっていない。やろうと思えばこうすることもできた。


定数は分離せよという掟(?)に忠実に則るとこうなる。だがこうすると解くことは非常に困難になることはなんとなくわかるかと思う。何故ならこれは難しい微分をしないと書けないからだ。
そもそも定数分離をする動機は何かというと、曲線が動くと交点が分かりづらすぎるからである。なのでいつもはy=aという超分かりやすい直線にしてから動かすのだ。
しかしy=(1次式)×aもまた直線なのだ。これは定点を通りつつ傾きが変わることになるので接する条件を考えなければならないという面倒さはあるが、様子を追うこと自体は容易なので、相方の方程式部分の形によってはこちらを採用したほうが楽ということが往々にしてある。

そしてこの「定数を分離しきらず、1次式部分を残したままグラフを描く」というパターンは文系はみんな気付くが、理系は気付かない人も多い。何故なら文系はそもそも微分ができないのでこうするしか解く方法が無いのだが、理系はあらゆるグラフを微分で描けてしまうから最悪それで押し切ってしまえるためである。

今回はグラフがキモすぎるのでさすがにみんな気付くだろうが、たとえば
x^2-2ax+2a+3=0
というのを
x^2+3=2(x-1)a
ではなく
(x^2+3)/(2x-2)=a
にして微分してグラフ描く人は大勢いる。まあこれくらいなら別にそれでもいいんだけど。

ここから得られる教訓に以下がある。

使える手法が増えると以前に学んだことを忘れてしまう事態に陥りがちである

皆さんは中学受験の算数の問題を解くときに、三角関数やベクトルに頼ろうとして逆に解法が分からないという経験はないだろうか? これも武器を増やした結果、幼い頃に学んだ考え方を忘れてしまったということだ。
もちろんそれを克服するのは簡単ではなく、時間の限られた高校生に要求するのは無理筋かもしれない。しかし機械的な処理に疑問を抱き一歩立ち止まって考えることができるようになれば、またひとつ強くなれるのかもしれない。知らんけど。