今年もついにこの季節がやってきた。なんか歴代最難関とか言われているらしいですが、僕視点だと2021や2023のほうが圧倒的に難しいと感じました。多分相性の問題だと思うので難易度についてはダマで。
第1問

難易度についてはダマと言ったばかりですが、さすがにこれに関しては一本道の公式あてはめゲーすぎるので完答を狙いたい問題であると主張したい。
(1)
内分点を順次出していきましょう。僕はABをt:1-tに内分する点と言われたら、(1-t)OB↑+tOA↑ではなく、OA↑+tAB↑で出すほうが好みです。理由は1-tを掛けると展開がめんどくさいから。
というわけで適当に計算。なお、僕は間違えそうなので何か計算するたびにt=0,1を代入して点A,Dが出ることを確認し、間違えたまま突き進むことを未然に防いでいます。というか問題文に点AをU0、点DをU1とすると書かれていて、これはt=0,1で検算しろよと暗に伝えているのかもしれません。違う? あっそう。
(2)
パラメータ表示された曲線の積分。線分ADというのはつまりx軸ってことなので初歩的なタイプですね。多項式で積分区間0→1なので代入に労力を割かれるということもなく、難しいこと考えずに適当に展開して処理すればおk
(3)
弧長を求める問題。これも公式に以下略。
さて、計算を進めると√(4t^4-8t^3+8t^2-4t+1)という式が出てきます。Twitterを見てるとこれを(2t^2-2t+1)^2と2乗の形にできるのをどうやって思いつくのですか? というつぶやきがあったためここで言っておきます。思いつきません。
ではどうするのかというと、問題文に答えは多項式になると書いてあるのですから、√が外れないとおかしいので(2t^2+At±1)^2とおいて係数比較でAと定数項の符号を決めます。どうも計算が合わなければそこまでが間違っていたことがわかるので戻ってまた1行ずつ確認するところからやり直しです。
そんなことより√(2t^2-2t+1)^2=2t^2-2t+1と無条件で書いてはいけません。何故ならば2t^2-2t+1の正負について言及しなければならないからです。正直、この問題を解くための公式が頭に入っている人にとってはこれがほぼ唯一減点の理由となる罠でしょう。
というわけでめちゃくちゃ簡単なのですが、パラメータ表示の積分、弧長と数Ⅲの終わり際に習う分野が出題されているので、先取りしていない人だとそもそも演習時間が足りなさ過ぎて定着していないという事態が考えられます。無論東大側もそれを配慮し、かなり平易な計算になるように設定しているのでしょうが、平易だろうが難しかろうが定着していないものは使えないので…。
第2問

(1) なんか3分くらい手を動かしたら5点くらいもらえる問題
(2) これ難しくて僕は一番最後に回して30分かかりました。ちなみに本番なら僕はこれを捨ててます。
まず(1)が誘導であるということを信じてはさみうちの原理を使うというのは第一感としてあると思います。下からどう挟むのかはさておき、そもそも誘導つきの上からの挟み撃ちすらそこまで簡単ではないのが恐ろしいところです。
ひとまず単純に上から挟んでやると(極限)≦log2-1/2となります。おそらくこれが答えなのでしょうが、下からの挟み方を見つけるのに苦労します。
相加相乗がどうやら多くの正答者がとったルートかと思われます。それでは相加相乗をどのように思いつけばよいのでしょう? 天から降ってくるだと説明になっていないので、僕が思いついた理由を書いておきます。
僕は悩んだ末、答えだけは出ていてlog2-1/2であるという点に注目しました。これは何を意味するのかというと、つまり下から何かで挟んだとして、その挟めるなにかもlog2-1/2に収束するであろうということです。というか収束なんて面倒なこと言わずに、もうダイレクトにlog2-1/2そのもので下から挟みたいです。
とか言って、(真ん中の式)-(log2-1/2)≧0を示すなんて直接できそうにありません。そこでlog2-1/2というのは定積分計算の結果として現れたとして、F(2)-F(1)=log2-1/2となる関数F(x)を求めればよいのでは? という発想に至ります。するとF(x)=(xlogx-x)/2にたどり着き、1/2n×∫logxdxで下から挟めばいいという結論に至ります!
係数をlogの中にぶち込んでlog(x^(1/2n))≦log*1/2)としてやればさすがに相加相乗が見えました。これでようやく解決したのでした。
え? logの凸性? そういやそんなのありましたね (数Ⅲ苦手) 。
第3問

僕はこれを解いたときに綺麗な図を描くだけで5分かかりましたw
(1)
sin,cosを使って長方形の縦と横の長さを出して掛けましょう。
ややこしいのですが、sinΘcosΘと(cosΘ)^2-(sinΘ)^2でそれぞれ括れる項が現れるため、sin2Θとcos2Θの式で表すことができます。
(2)
角が揃ってる1次式なので合成してまとめてしまいます。文字が多くて根号も出てくるので計算が大変で、受験生当時の僕だと普通に処理しきれているか怪しいです (文字式苦手)。
さてさて、(なんかやばそうな√の式)×sin(2Θ+α)+ab/2というやる気がなくなる式が出てきます。ここで式処理で力尽きたからと言ってsin(2Θ+α)=1のときに最大値と無条件でやると破滅します。変数が出現したら範囲を確認するのは大原則です。(1)を考えるときに30°-Θという角が出現したはずで、あと今回の設定だとΘ=0°も許容されるので0°≦Θ≦π/6となり、2Θ+α=π/2という値を取りうるとは限りません。というわけで場合分け発生です。
この問題、1に続いて完答したい問題らしいですが、複雑な文字式を見ると拒絶反応が起きる人種 (例:ぼく) も存在するのでそういう人にとっては厳しい問題だったでしょう。1番の完答を12分で済ませた僕もこちらは25分かかりました。物理選択ならこういうの難なくこなすのかな。
第4問

(1)
n^2と(n+1)^2で挟んでください
(2)
4a+1というのが突然出現して何のことかがよくわからないのですが、x^2+x-a=b^2とでも置いて4a+1=4n^2+4n-4b^2+1=(2n+1+2b)(2n+1-2b)と因数分解することが可能。あとは流れで。
他には解の公式や平方完成で4a+1を出現させるルートもあります。
ちなみに(ii)⇒(i)はともかく,(i)⇒(ii)を示す答案が書きづらいですが、これは対偶とって not(ii)⇒not(i)を示す、すなわち合成数なら1個じゃないと言えばOK。書きづらいときは対偶取りに行くのは割とよく使える方法です。
第5問

IQテスト。
受験数学というより、小さいころに頭の体操みたいな本を読んだりしたことがある人のほうが有利そうです。知らんけど。
個人差が激しすぎるタイプの問題なので、解ける人は難なく解けるし解けない人は解けない。
(1)
よくわからないので適当な数字並べて実験してみましょう。何度も実験してみると例えば
3 6 4 1 7 5 2
からスタートしてまず左から順に操作すると
3 6 4 1 7 5 2
3 4 6 1 7 5 2
3 4 1 6 7 5 2
3 4 1 6 5 7 2
3 4 1 6 5 2 7
続いて右から順に操作すると
3 4 1 6 2 5 7
3 4 1 2 6 5 7
3 1 4 2 6 5 7
1 3 4 2 6 5 7
となっていきます。ここで問題文から1と2の動きに注目。また対称性(?)から6と7の動きにも注目すると、前半の操作では6が7にぶつかるまでスライドしていき、以降は7が一番右まで持っていかれる。後半は2が1にぶつかるまで左にスライドしていき、以降は1が一番左まで持っていかれるという動きが見えてきます。そして今「2が1にぶつかる」と言いましたが、最初から2が1より左側にあるとぶつからないので、2が1より右側にあるか左側にあるかで話が変わってきそうです。
で、実際2が1より左側にある場合を考えると、今度は1が右から飛んできて2のところに到達すると、2が右に1個どかされて1が割り込んでくるので2が一番左にないといけないということがわかります。
イメージがつかめてきたら1と2とそれ以外のモブとで話をしましょう。
① 1 が 2 より左にある場合
1 は前半の操作で1個左に追いやられます (元から一番左ならそのまま) 。そして後半で 2 が右から飛んできてぶつかったところで入れ替わり、そのあと 2 はそのままの位置で 1 が一番左まで飛んでいきます。
2 は最終的に2番目にないといけませんから、ぶつかるときに 1 が一番左じゃないといけない。つまり初期位置は1番目か2番目です。
② 1 が 2 より右にある場合
2 も 1 が右側にいる以上左側から攻め込んでくるのは大きな数ばかりなので1個左に追いやられます。そして後半で 1 が右から飛んできて 2 とぶつかったところで入れ替わります。
入れ替わったあとに 2 が2番目にないといけないため、初期位置は1番目か2番目です。
というわけで、どちらの場合でも 1 ないしは 2 が1番目か2番目にいなきゃいけないことがわかりました。
なお、僕はここまで考えて解答を書き始めるときにようやく気付きましたが、背理法で考えたら前半終了時に一番左が3以上なんですから秒殺ですね。
(2)
この手の漸化式は、元々n-1個で条件を満たすパターンに、影響のない部分に要素を1個追加することでn個で条件を満たすパターンを作るといったことをすることが多いです。
(1)から 1 か 2 が1番目か2番目に置かれていないといけないという話だったので、これらのパターンを順番に考えましょう。
1 は最小の数なので、一番左にあると入れ替え操作で何の影響もない傍観者となります。右側の2~nで勝手にやってろという話です。1 はいてもいなくても同じなのですから、2~nで勝手にやって整列するパターンは、番号を1ずつ下げて1~n-1で勝手にやって整列するパターンと同じです。
続いて 1 を2番目に置きましょう。この場合、まず 1 より左にいる数字が 1 を1番目に追い出します。この先はどうなるのかというとやっぱり 1 はそのあと放置されて2~n+1で勝手にやりあいます。なのでこれもc_(n-1)通りです。
次は 2 が1番目にあるパターンです。これは右側で1と3~n-1とがやりあったあと、最終的に 1 が右から飛んできて最後に入れ替わるので整列してくれます。なのでこれもc_(n-1)通り。
最後に 2 が2番目にあるパターン。これは一番左が 1 じゃなければ初手で入れ替わって以下略。1 であっても最終的に右側が勝手に並ぶのでc_(n-1)通り。
ではc_n=4c_(n-1)なのでしょうか? いいえ違います。
1、2、その他のモブ共
2、1、その他のモブ共
という場合を重複してカウントしてしまっていますね。
この場合、初手で1と2が入れ替わるかどうかの違いというだけで、n-2個のその他のモブどもが勝手にやりあって整列してくれます。なので2c_(n-2)通りの重複があったということです。
ですから、c_n=4c_(n-1)-2c_(n-2)通りと表されることになります。
1個だけ傍観者を設定して、それと関係ないところでn-1個の場合と同じことが行われているという考え方は完全順列の漸化式を出した時にもやった気がします。
結論自体は5分で出ましたが、それをどう書けばいいのかわからんので20分かかりました。
なお本番だとどうせこんなのみんな解けてないだろって割り切って、記述は細かい点は無視してふんわりと書くことを推奨です。
明らかに正答率が低そうな問題で答えの数値自体は出せたという場合は、予備校が出す模範解答みたいな丁寧なのを書こうとしたら日が暮れるので、相対評価ならこの程度でも結構点くれるでしょといったある程度の割り切りは必要です。
第6問

(1)
適当に計算しましょう。僕は複素平面未履修で定石をよく知らんのでz=1/2(1+cosΘ+isinΘ)っておいて逆数計算したんですがまあ1が出てきたからいいかの精神。
(2)
1/αも1/βも1+〇iで表されるので、文字をs,tとでも置いて2乗和をとると2-(s^2+t^2)+2(s+t)iとなります。
対称式が出てきたので実数条件(s+t)^2-4st≧0を使って図示… と言いたいところですがs≠tに気付かず境界を含むものだと思っていました。おかげで(3)で「いや最大値も最小値も存在しないが…」という事態が発生しちゃっていましたw
(3)
僕はよくわからなかったので、γ=x+yiとおいて、x≧-y^2/8+2という条件のもとでx/(x^2+y^2)のmax,minを求める。つまり2変数関数の最大最小問題をそのまんま解きました。x>0においては正の値をとりつつy^2について単調減少で、x<0においては負の値をとりつつy^2について単調増加であることがポイントで、これは要はxの符号で場合分けしつつ、最大値も最小値もy^2が最小である場合を考えればよいことを意味します。いわゆる予選決勝法。
最大値は正に決まってるのでx>0であるとして、x≧2で1/x、0<x<2でx/(x^2-8x+16)=1/(x+16/x-8)であることから(2,0)における1/2であるとわかる。
最小値は負に決まってるのでx<0として、こちらは分母が小さいほど値も小さくなるのでやっぱり1/(x+16/x-8)の最小値を求めればよいという方針となり、x=-4のとき-1/16と出ます。
かかった時間
1 12分
2(1)秒殺、(2)で悩んで飛ばす。計10分
3 主に合成に手間取って25分
4 (1)は見た瞬間わかって2分。(2)で若干沼って18分
5 (1)5分、(2)20分
6 30分
2(2) 20分
計142分。ギリギリ2時間半切れました。本番だと2(2)は上からの評価をして捨てるので6完無理です。
難易度はダマと言いましたが、要望があったので一応個人の感想レベルのものを書きます。
★4以下は解けないとやばい、★5,6は差がつきそう、★7以上は解けなくていい。
1 (1) ★3 (2) ★3 (3) ★4
2 (1) ★1 (2) ★8
3 (1) ★4 (2) ★6
4 (1) ★4 (2) ★6
5 (1) ★5 (2) ★8
6 (1) ★3 (2) ★5 (3) ★6
という感じで、差がつきそうな問題枠があまりに多すぎるので確かに本番このセットが出てきたら難しいと感じるのは当然かなという感じですし、おうちで解いたら★6までって解けて当たり前なので、これそんなむずいか??? と感じるのもまた当然でしょう。
1と2(1)はさすがに解けないとやばくて、5番が真っ白な人が大多数なので、残りの346でどれだけ取れたかが鍵かなって感じ。3(2)場合分け忘れ、4(1)と6(1)(2)までというので記述の減点込みでだいたい45点程度だと思われます。数学で稼ぎたい人はもう少しがんばって、2(2)の上側の極限の導出と、346のうちどれか完答をめざしましょう。60点くらいにはなるはずです。
*1:1+x^(1/n













































