ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2005年度 東工大後期数学 やってみた

某勉強系Youtuberが「東大数学25年分全部解く配信」みたいなのをやっているらしいです。それに比べれば僕は1日2問とめちゃくちゃ楽なものです。なのでちゃんと22年分完走しないとね。

第1問 難易度:B

(1)
教科書に載ってる証明知ってますかシリーズ。
東大1999の加法定理の証明が大数評価Aだったことがあったけど、実際の受験生の出来は良くなかったらしい。これも出来はそんなに良くないんじゃないか?というお気持ち。
なのでこれも難易度Bと書いてあるけどその辺のC問題より出来がいいかと言われると怪しいと思うw

要はこれa>1においてn/a^n→0つまり発散速度が多項式<指数関数を示せと言っているのと同じで、a^n=(1+α)^nとして二項展開してはさみうちで示せる。
ぶっちゃけ覚えてなかったけど大学1年レベルの微分積分学をやれば発想の引き出しにあるはずなので余裕で思いつく。ただ高校生レベルだとそんなに普段から二項展開を多用しないのもあり覚えてないと厳しい?




(2)
S_m=Σkr^k
T_n=1/2・Σk(k+1)r^k

この手のやつは×(公比)したものとの差を取ってやれば等比数列が現れるので一般項が求まるというのは数列の青チャートにもそのまんま載ってる基本中の基本なので難易度Bというのは恐らくそういうこと。

無限等比級数の和=a/(1-r)
等比数列の和=それ×(1-r^(n+1))

の公式はマジで使用頻度が高すぎるので、もう反射的に引き出せるようにしておくと便利です。

こっちのほうが遥かに出来はいいはずw


書いてから気付いたんですが、0<r<1っていうのは(1)でだけ与えられたlocal変域で、(2)だとrは全実数な気がします。
なのでコレに加えて|r|≧1なら+∞に発散と書いておきましょうw 証明はなくてもいいでしょう。一般項が+∞に飛んでいくのだから発散に決まってます。


第2問 難易度:C

(1)
対称性からP(1,0)、0≦θ≦πとしてよく、図を描くとこんな感じ。

QはPが定まれば勝手に決まり、Pを定めるには半径rを決めればよい。
というわけでrをパラメータにして面積和を表し、微分で最小値を求めるという発想になるのが自然だろうか。

そうは言ってもrだけで話を進めるのは難しいので、半径をそれぞれr_Aとr_Bとおき、まずは余弦定理でr_Bをr_Aで表すということにする。θ=πだと三角形にならないので、ここからはθ≠πであるとする。
ちなみにθは今回まだ定数なので間違えないように。

なお僕は記憶力が悪いので余弦定理をcosθ=(a^2+b^2-c^2)/2abの形でしか覚えていないw
そんなことよりr_Bをr_Aで表そうとしたら正負が微妙に噛み合わず、なんだかとんでもないことになった。これを微分して処理するのはなかなか大変そうなので方針を変えることにする。

冷静に考えれば求めたいのはr_Aとr_Bの2乗和 (×π) の最小値であり、これは対称式だ。
というわけでここは
対称式のmax,min問題の常套手段
「基本対称式r_A+r_Bとr_Ar_Bで表し、2次方程式の解の存在条件から範囲を求める」
という手を使ったほうがよさそうな気がする。
同値変形の3段目から…

うん。こっちのほうが遥かに扱いやすい。
状況から明らかに0<r_A,r_B<1で、r_A+r_B=p、r_Ar_B=qとでもしてやるとr_A、r_Bはx^2-px+q=0の2解なので、これが0<x<1に2解を持つ条件を考えてやればよい。

f(0),f(2)>0
0<軸<1
D≧0

が条件になってくるので

q>0、4-2p+q>0
0<p/2<1
p^2-4q≧0

整理すると結局、0<p<2、0≦q≦p^2/4となる。
また、q=(tan(θ/2))^2・(1-p)を代入してやると

新たにこのような条件が出てくる。
求めるべきは(p^2-2q)×πの最小値であるから、
p^2-2q=p^2-2a(1-p)=(p+a)^2-a^2-2a
軸-aはpの範囲外であるから (a>0なので) 、結局最小値は近いほうの端点p=-2a+2√a(a+1)の場合であり、相当嫌だが具体的に計算すると

幸いにもきれいな形になってくれました。
さらにa=(tan(θ/2))^2を代入して整理すると…


√したときの絶対値は0≦θ<πから外せる。
これで整理しきれたので、あとはπをつけてしまえば答えになる。

まだ終わりではない。途中で勝手にθ≠πとして話を進めたため、まだθ=πの場合が残っている。
この時はr_A+r_B=1が自明であるため単純にr_B=1-r_Aを代入してr_Aの2次方程式にしてしまえばよい。r_A=r_B=1/2のときに最小値π/2となり、これは今出た式にθ=πを代入しても成り立っているため統一的に表記できる。

以上。

(2)
例によってボーナス問題。x=sin(θ/2)として当然x≦1。
x/(1+x)=1-1/(1+x)で単調増加であるため、x=1のときに最大値になることは自明。
つまりθ=πのときに最大値π/2をとる。

2次方程式の解の存在のところで以降使わない条件はもう省略した。
範囲の必要条件だけ出しといて、実際に最小値を与えるpの値を取るr_Aが存在することを言えればいいでしょうという方向性にしています。