ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2007年度 東工大後期数学 やってみた


第1問 難易度:C

(1)
3次の係数が正なので極大>0、極小<0であることが3実数解を持つ必要十分条件です。
というわけで(極大)・(極小)<0が必要十分。

具体的に計算するとn_3^2<4/27・n_1^3

こうなる。
いつの間にかn_2が消えていますが、無条件ということです。

これを満たす(n_1,n_3)の組を求めるのですが、いい方法もすぐには思いつかないし高々36通りしかないので書き出しちゃいましょうw
とか言って馬鹿正直に36個も調べるのはアホなので、片方固定してもう片方の範囲を調べていく。

右辺が
n_1=1のとき4/27<1 n_3該当なし
n_2=2のとき1<32/27<4 n_3=1
n_3=3のとき4 n_3=1
n_4=4のとき9<256/27<16 n_3=1~3
n_5=5のとき16<500/27<25 n_3=1~4
n_6=6のとき25<864/27<36 n_3=1~5

割り算めんどくさいからクソほど比較が大雑把ですが、これでいいです。36組中14組が条件を満たすため、確率は7/18です。

(2)
自然数が0を含むかどうかは諸説ありますが、明らかにf(0)≠0なので宗教問題には発展せずセーフ。
またf(3)=27-3n_1+(-1)^n_2・n_3>3 (n_1、n_3≦6) であることと、極小をとるx=√(n1/3)<3であることから、自然数解はx=1,2に絞られます。
2個しかないんだから調べちゃいましょう。

x=1のとき
1-n_1+(-1)^(n_2)・n_3=0

n_1-n_3=1 (5/36) かつn_2が偶数 (1/2)→5/72

x=2のとき
8-2n_1+(-1)^(n_2)・n_3=0

①2n_1-n_3=8かつn_2が偶数 → (n_1,n_3)=(5,2)、(6,4)なので2/36で、n_2の1/2を掛けて2/72。

②2n_1+n_3=8かつn_2が奇数 → (n_1,n_3)=(1,6)、(2,4)、(3,2)なので3/36で、n_2の1/2を掛けて3/72。

全部排反だから足して5/36。


どうせあとで通分するんだから道中の分母は72に揃えておこう。




第2問 難易度:C

数Ⅲの基本問題か??? と一瞬思いますが、なかなか面倒な問題でした。

(1)、(2)
2階微分までさせるんだから、変曲点まで求めてそれを反映したグラフを描けと言っております。
こんなの出来て当たり前と思うかもしれませんが、意外と数Ⅲ慣れしていないと難しかったり。少なくとも僕は高2の夏時点ではホントに全然できなかったよ。

いつもいつも応用的な話ばかりしていると読んでる人もついていけないでしょうから、たまには基本的な話でもしましょうか。

今回は商の微分について解説するぜ!

まずこれが積の微分。さすがに知ってるよね。

商の微分は分母にある関数を-1乗であると読み取り、積の微分と合成関数の微分を組み合わせれば導くことができる。


初めて商の微分に触れる際は合成関数の微分をやっておらず、{g(x)}^-1の微分ができないため微分の定義に則って面倒なことをして証明していた気がするが、公式を確認する目的なら覚えるまでこうやって導出して慣れてしまうのが良い。

公式が求まってしまえば、これにぶち込んでしまえばいいだけだ。xとtanxを代入してみよう。


これでf'(x)が求まった。
正負判定だが、sinx<xは三角形と扇形の比較から自明なので負である。

これを微分するとf''(x)が求まるが、何の工夫もないと…

こうなってしまい、式の整理がめんどくさい。
ここはf'(x)の表現を変えて…

f'(x)=(sinxcosx-x)/(sinx)^2からこのように変形してやることで、式が無駄に横に伸びなくて済むようになる。
積分の問題で、項を和の形に分けてやって1つずつ計算するというテクニックはみんな自然にやるものだが、分解しないと計算不可である積分と違い、微分は多少形が複雑でもそのまま計算可であるため案外これをやらない人は多かったりする。

ご覧の通り非常に計算が楽である。

それでは正負判定だが、これはxcosx-sinxの正負判定をすればよい。
これを微分すると-xsinx<0になるから単調減少で、x=0で0だから、0<x<π/2では負である。
よってf''(x)も常に負であることがわかる。

f'(x)もf''(x)も常に負であることから、y=f(x)は上に凸、単調減少のグラフとなり、x→0でf(x)→1、x→π/2でf(x)→0となるから

つまらんグラフだ。

(2)
馬鹿正直に微分したら死にます。
問題文をよく読んだら、必要なのは正負判定でg'(x)やg''(x)を具体的に求める必要はないので、
g(x)=f(x)+1/f(x)であることを利用して…。

こんな感じに微分形をf(x)、f'(x)、f''(x)を用いて表してやれば、各々の正負からg'(x)>0かつg''(x)>0が分かります。
今度は下に凸かつ単調増加で、x→0でg(x)→2、x→π/2でg(x)→+∞なので…


(3)
お、ちょっと面白そう。
正直この2問で得られた情報が0<f(x)<1とg(x)>2くらいしかなく、あまりにもつまらなかったので…。

logがついているままだと処理しづらすぎるので、eの肩に乗せてa/f(x)=e^(g(x))としましょう。
これが解を持つ条件なので、いわゆる定数分離をして
a=f(x)・e^(g(x))
とし、f(x)・e^(g(x))の値域を求めれば、それがそのまま交わる条件となるというのは基本的事項。

値域を求めるために微分してやると…

こうなるため、f(x)=(-1+√5)/2のときに極小値を取ることがわかります。
0<f(x)<1であることに注目です。
f(x)→1でg(x)→2であるため、f(x)・e^(g(x))→e^2
f(x)→0でg(x)→+∞であるため不定形となり厄介です。
g(x)=f(x)+1/f(x)であることと、多項式より指数関数のほうが発散が早いことからf(x)・e^(g(x))→+∞となります。

というわけでグラフはこうなって、あとは極小値を計算してやればよいことになります。




今回はつまらなかった!!!