ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

東大数学 簡単な年度の問題を解いてみた③ 2017年度

東大で数学が簡単な年ってマジで簡単だから6完しても何の自慢にもならないんだぜってことを知るための記事最終回。

今回はTwitterで東大数学6完!で売り出してるインフルエンサーが集まっている2017年度です。

第1問

おお、なんか1995や2002に比べて問題文が複雑な気がする!

(1)
作業過ぎるので逆に3倍角の公式の導出くらいしたほうがいいんじゃないか?って気がする。実は3倍角の公式って教科書に載ってないんでね。

(2)
定義域に等号ついていないので、放物線の軸が-1<x<1の範囲に無いと最小値を取らないことに注意。その最小値が0って言ってるので平方完成したときに外にはみ出す項がないってことです。

図形的に見たら平均変化率min0ってことで、極大値がθ=0のときと同じ値を取りますよってことなんですが、こんなのがわかんなくてもできちゃいます。

第2問

P(X=i,Y=j)=P(X=i)P(Y=j)であることから、(2)は(1)を2乗することで求まるという美しい解き方があるという、統計分野の要素を取り入れた問題。
僕には到底思いつかない (答えを出してからようやく気付くかどうか…) ので、試験場で思いついた人は化け物だと思う。

だが、答えを出すだけならこういう地道な方法でなんとかなる。

そう。どうせ(-3,-3)~(3,3)の範囲にしかy=x上で行けるところはないのだから、全パターン調べてもたかが知れている。
決して上手い解き方ではないのだが、これでも時間をさほど使わず、さらに一切の不備なく答えが出ちゃうので問題なし。

エレガントな解き方ばかりにこだわらず、泥臭いやり方を踏み切るのもまた必要であるということ。何なら僕なら100回この問題が出たら100回ともこうすると思う。受験数学ってのは限られた時間で点数を取るゲームなんだから、上手い方法を考えている暇があったら書き出したほうが楽というのなら書き出したほうがいいに決まっている。

第3問


複素数平面ワカンネw

(1)

反転と呼ばれる有名性質らしいです。へー初めて聞いた (爆
いや、式変形のやり方知っていてもその名前を知らないってよくあるじゃん。ない? もしかして俺だけ??

(2)
(1の3乗根)=-1/2±√3/2・iなのはこの世の常識 (知らない人はx^2+x+1=0を解いてください) なので、βとβ^2を結ぶ線分というのはつまり0と-1の垂直2等分線の|z|≦1の部分ということになります。

ということは(1)から、中心-1、半径1の円周上で、|w|≧1の部分が出るのでしょう。

複素数平面未修でもすぐ解けたので、たぶん簡単なのでしょう。

第4問

(1) 4と18
(2) 

(3)
自明すぎて問題になってない。

答案にはa(n+1)=4a(n)+a(n-1)と、n=1,2の初期条件を使ってk,k+1→k+2の帰納法書きましょう。

(4)
そもそも4と18の最大公約数が2なので答えは2なんだろうという予想が立ちますw
漸化式からmod4で0→2→0→2… と交互にやってくることを帰納法で示せばいいでしょう。
互除法でもいいです。

以上。6問中ダントツで簡単です。

第5問

一瞬放物線同士が接すると読み違えて「そんなに頻繁にこいつら接するか???」と思ってしまったw

(1)
x^2+k=ax+bが重解
y^2+k=y/a-b/aが重解 (a≠0は接さないので明らか)

a=-1だったらどうなるんだろう? という点が気になった人は(2)の見通しがよくなる。

(2)
a=2のときk=3/8、b=-5/8となり、まず1本はこれでおしまい。
対称性からa=1/2の接線もあることがわかります。なんで? と言われるとy=xで折り返してみろとしか言えないんですが、まあ愚直に計算しても出てくるのでまあいいでしょう。y=2x-5/8を折り返してy=-x/2+5/16
あとは例外処理のa=-1がありそうだなっていうのは予想がつくかと思います。これで3本ですね。

という予想をつけてからやり始めると一瞬で因数分解出来てとても楽。
実際の解の出し方は(1)の途中で出てきた4a(a+1)k=(a^3+1)を解けっていうお話。


第6問

(1)
中心(0,0,1/2)、半径√3/2、z=1/2上の円周をくるくる。
角を出すには、内積からなす角のcosが出てきますから、そこからアプローチしていけばいいでしょう。具体的にはx座標がそのままcosθになるので、-√3/2≦x≦√3/2から30°≦θ≦150°です。
こちらは問題ないかと思います。

(2)
2017年度唯一の難しい問題。

(1)で円錐面を出したけど、OPが動きうる領域はQを固定すると赤い円錐面になります。
で、Qはx=0上を動くということは、OQ=1という縛りがありますから、x軸を中心に回転するということで、これはすなわちこの円錐面がx軸中心に回転することを意味します。

回転体の体積=π×∫((最も遠い距離)^2-(最も近い距離)^2)dxというのは常識です。というわけでx=tにおける円錐面の最も近い点と遠い点を求めましょう。

最も近い点は円錐の母線上の点で、これはxy平面で見た時に母線がy=x/√3で表されることから、距離がt/√3になるのはすぐにわかると思います。
では最も遠い点は?

円錐をx=tで切った時の、底面上の点ですね。
三平方の定理を2回使えば求まり、具体的には√(1-t^2)となります。

というわけで最も近い距離=t/√3、最も遠い距離=√(1-t^2)というわけで、積分計算は


めっちゃ簡単やないかい!!

答え:2√3π/3


以上。簡単な年度の問題を解いてみたのですが、どうも簡単っていうのは東大受験生基準の簡単であって、一般的にはめちゃくちゃ難しいんだろ! …っていうわけでもなく、どうやらガチで簡単なんだなってことがお分かりいただけるかと思います。

何が簡単なのかというと、定番手順しか行使しないので発想力がほとんどいらないというのもそうなんですが、それに加えて全体的な作業量がかなり少ないというのもあります。
とか言って、こんな簡単な時には基本事項に抜けがあると足下を掬われて大きなビハインドを背負うことすら考えられるので、もし今回挙げた全18問のうち1問でも怪しいな?という問題があったら危機感を持ったほうがいいのかなと思いました。

で、なんでこんなのをわざわざ書いたのかというと、東大の数学は全て難しい! って恐れを抱いている人がその恐れをある程度払拭できればいいなーとか思ったので。知らんけど。あとは僕がホントにそんなに簡単なのか?って興味がわいたからw

個人の趣味ブログなので、好きに書かせろって感じですね。はい。