ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

1998年度 東大後期数学 (第3問以外) やってみた

有名なアレはどうせ自力じゃ解けないし、有名すぎて答えもう知ってるのでそれ以外の2問で。

第1問 難度:C****

かかった時間:33分28秒

ごく普通の軌跡領域の問題です。

(1)
とりあえずQ(cosα、10+sinα)、R(2cosβ、2sinβ)とおけます。角のパラメータが2個もあると面倒ですが、他にできることも無さそうです。
∠QRSが直角かつRQ=RSであることから、
RQ↑=(a,b)とすればRS↑=(-b,a)もしくは(b,-a)となります。僕はここを少し見落としていて「あれ? 計算ダルすぎない? (長さ求めようとしてた) 」となって少し時間を消費してしまいました。

なにはともあれ、
RQ↑=(cosα-2cosβ、10+sinα-2sinβ)に対して
RS↑=(10+sinα-2sinβ、-cosα+2cosβ)もしくはRS↑=(-10-sinα+2sinβ、cosα-2cosβ)となり、Sの座標は…


たとえば、片方はこうなります。
パラメータ表示された軌跡を求める場合、何らかの手段でX,Yの関係式を出すことが必要ですが、今回はよくわからないので変数ごとに分解してベクトルの合成で求めに行きます。

つまり直感的にこうなるわけでさぁ…

点(10,0)+半径1の円+半径2√2の円ということで、どういうことかと申しますと中心(10,0)で半径2√2の円周上を中心として半径1の円がぐるぐる動き回った時の全体の図形。つまり

ここのドーナツ型。(10,0)中心で半径2√2+1の円と半径2√2-1の円で囲まれた部分です。

もう片方も同様に擦れば (-10,0) 中心で同じく半径2√2+1の円と半径2√2-1の円で囲まれたドーナツ型が出てきます。これが答えです。これは軌跡ではなく領域なのでは? と思いますが、正直私は両者の定義をよく知らないので不安になりながらも間違ってる気がしないのでまあこれでいいんじゃないでしょうか。

なお、パラメータ表示された軌跡は慣れると分解して一瞬で出せるというものが増えてきます。
例えば僕が2ヶ月ほど前にTwitterで見たのは

x=s+t
y=s^2
(0≦s,t≦1)

の軌跡を求めよという問題ですが、こういうのがy=x^2の0≦y≦1の部分をx方向に0~1平行移動と一瞬でわかったりします。ちなみに僕は普通のやり方がむしろわからなくなってますw

(2)
図描くと分かりやすいと思います。


(1)でSの動く領域を求めましたが、そのSが円周C_3上にただ一つ定まるといいます。ということは、C_3と(1)との領域の共有点がただ1点であることになり、2円が接することに他なりません。
2円の位置関係を調べるには、半径の和と中心間の距離を調べるのが簡単です。というかこれしか方法が無いです (他はめんどくさい) 。
接するポイントは全部で4か所あるので答えも4つ出てくるはず。
ただそれだけで難しくはないです。






第2問 難度:C****

かかった時間:33分47秒

1998年度は第3問がバケモンな分、最初の2問が簡単だったという噂自体は聞いたことあります。実際にはそんなに簡単か? と言われると怪しいですが、やることが一本道という点で悩まなくて済むという感じでした。

(1)
単純に計算しましょう。
(sinx)^2が両辺に出るので打ち消して、

これを解けばいいのみ。僕はパラメタθに惑わされてdθって書いちゃっては消しを繰り返しましたがw まあ特に時間もかからずr=2cosθなる条件が出せます。0≦r≦π/4でr>0なので定義域に影響はなし。

(2)

これの通過領域を図示する問題です。0≦θ≦π/4。
xが1個しか無いのでsinカーブの単純な平行移動かなと一瞬思いましたが、θも変数なのでそう簡単ではなさそう。
xy平面上に図示することもあり、xを固定したときのf(x)の値域を探っていく、いわゆる順像法 (ファクシミリの原理) で考えていくのがよさそうに思えます。

というわけでθの関数とみて、f(θ)=2cosθsin(x+θ)の値域を調べましょう。
単純に微分をすれば簡単そう。

すぐにわかるように、cosの加法定理の形が出てきてすっきりします。0≦θ≦π/4という条件を忘れないようにすると、0≦x≦π/2のときθ=π/4-x/2で極大値を取るが、π/2<x≦πのときは単調減少であることがわかります。
そして端点と極値について

f(0)=2sinx
f(π/4-x/2)=1+sinx
f(π/4)=√2sin(x+π/4)

と出てきますから、あとはこのグラフに囲まれた部分がDですよと言ってやればOK。
とかいって、1つ1つのグラフを描くのは簡単ですが、3ついっぺんに書くとなるとどこがどう交わって…というのを判別するのになかなか苦労しましたw

ペイントで描いたので人様に見せるようなものではない随分といい加減なグラフですが、ひとまずy=1+sinxの領域 (極大値の部分) はx≧π/2では定義域外となるため死に条件となることに注意です。π/4とπ/2で境界が切り替わる様子が描けていれば満点が来るでしょう。

(3)
区間を分けて積分しましょう。関数自体はとても簡単なので、あとはミスをしないように気を付けるだけです。
√2sin(x+π/4)はsinx+cosxにバラしたほうがミスが減るかもしれません。
π/2+√2と出るはず。




第3問 難度:D#
インターネットで調べればいくらでも解説記事が出てくるので今更僕が書くようなものでもないし、自力じゃ解けないことは分かり切ってるのでまあいいや。