ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

東大数学 簡単な年度の問題を解いてみた② 2002年度

東大の本当に簡単な年って本当に簡単なんだなってことを知るための記事その2。
今回は2002年度版です。

第1問

相異なる2点で交わるということは、連立させてD>0ですか? 本当にそれでいいのか?

1次の項が消えて、判別式を持ち込むまでもなく。
具体的な一般角が問われているので、有名角の√3/2絡みの解があるんだろうなというメタ読みも使って終了。勝手に0≦θ≦2πの範囲で完結させないようにしましょうw

第2問

(1)

(2)
a1=b1=1。
正の整数→自明 (帰納法でも書いとけ)
互いに素→a(n)とb(n)が互いに素なんだから、a(n)+b(n)とa(n)は互いに素に決まってる。示すなら共通の約数αでも持つとして背理法でいいと思う。

以上。

第3問

空間図形と聞いて一瞬身構えてしまいますが、登場物体は球だけなのでxz平面上で考えて、あとで回転してやればVが求まるなということがわかります。
というわけで平面図形の問題に帰着出来て、こちらなら幾分か楽でしょう。

図を描いてやり、点と直線の距離の関係から不等式を処理してやればVも簡単に求まります。2円の交線は円の方程式を引いてやれば出ます。いわゆる束ってやつです。




πの近似値が与えられていないのでどうしたものかと思いますが、さすがにπ<3.15を示すのはムズすぎるので使っていいでしょう。

これまでの問題に比べるとそこまで超基本レベルに簡単とまでは言いすぎかもしれませんが、それでも東大にしては作業自体が全然大変じゃないので難易度は低い方です。東大の数学の難易度は「計算量が膨大である」というところに根差している点もあるため、計算が簡単というだけで難易度が1,2段階くらい低めに見積もられます。

第4問

接線がテーマなので基本通り、接点のx座標をtとでもおきましょう。
今回は法線が(0,a)を通るということなので、法線の方程式を出し、(0,a)を代入してやってtの存在条件に持ち込みます。
f(t)=aの形となるため、f(t)の値域を求める問題となります。


やはり計算が容易なのが大きく、落ち着いて処理すればできます。というか法線を扱う問題として基本中の基本です。1番とどっちが簡単か悩む程度には簡単です。

第5問

形で区分求積法が見え見えです。
いくらなんでもあまりに区分求積法っぽすぎるので方針に迷いはないでしょう。

三角錐は底面積×高さ÷3で求めればおk。こういう、直角があることが分かり切っている三角錐なら特に楽ですね。底面積は1/2・|ad-bc|で求めます。

積分を要求されますが、めちゃくちゃ基本的で、計算が楽です。
ここまででなんとなく分かってきたかと思いますが、東大の簡単、難しいって発想の難易度じゃなくて計算の大変さだったり。

ふむ。問題文が長く、威圧感があるように見えます。

(1)
これは問題文読めたらただやればいいので問題ないでしょう。問題の状況に慣れさせてくれる、親切な設問です。

右半分をまず1つ飛ばしで並べて…

左半分を間に埋めていく。

右半分を1つ飛ばしで並べて…

左半分を埋めていく。

おやおや。逆順になりましたね。
これをもう3回やれば逆順の逆順で元に戻る。(3)の誘導になっていることがわかります。

(2)
実際に左半分と右半分で分けて操作した結果、

となることが分かるかと思います。
ということはf(k)-2k=0 or -(2N+1)になっているので、2N+1で割り切れます。

(3)
2002年度で唯一難しい問題。
(2)で示したことは以下です。

f(k)-2k = m(2N+1) (mは整数) とおける。

で、よく考えるとf(k)ってのは2N個ある要素がどこにあるのかっていう場所を示しているのですから、1≦f(k)≦2Nなんですよね、当たり前ですが。
ということは当然f(k)-2kが取り得る値の幅も2Nなんですが、mが1増えると右辺が2N+1増えるのですから、取り得るmって高々1個しかないんですよね。

つまりこれを言い換えると移動先が1~2Nの範囲に入るように整数mを定めると見ることができるんです。

いま、N=2^(n-1)であるから、これは
f(k)-2k = m(2^n+1)
と書き換えられます。
そして、もう一度移動を行うと
f(f(k))-4k=m'(2N+1)
とでもおけるわけです。

2n回移動をするとやると、整数m''を用いて
f(f(…(f(k)…))) -2^(2n)・k=m''(2^n+1)になります。(これは実際には簡単な帰納法で示す)

つまり2^(2n)・k+m''(2^n+1)が0~2Nに収まるように適切にm''を定めなさいというわけです。そのようなm''とは何ぞやと言いますと、これはm''=k(1-2^n)に他ならず、このとき位置はk… つまり、元の場所に戻っているということになります。

…とここまで書いて気付いたけどmod使えば簡単だねw



以上。6(3)だけはちょっとひねった発想を求められましたが、全体的にやはり簡単で、100点取っても大したアドバンテージにならなさそうなのは辛いところです。

とはいえ、1995年や2002年ってまだ受験数学の技術が発達していなかった頃だろ! というツッコミがあるかもしれません。じゃあそ例外の年の難易度についてはどう考えるんだ? というのはさておき、では受験数学が発達した2017年度ってどうだったんだろうというのを最後に見ていきたいかなと思います。