ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2003年度 東工大後期数学 やってみた

C問題の間で差がありすぎるので、やはり4段階で表すのは無理があるんだなって。

第1問:難易度C

個人的にこういうの苦手。得意分野は確率、整数です。

(1)
一部で四平方の定理って呼ばれてるやつ。正式名称かどうかは知らない。
P(a,b,c)、Q(p,q,r)とでもすれば、すべての点が求まるので三角形の面積も求まり、アホほど文字が多いですが気合で計算すれば一応示せます。
実戦的にはこういうゴリ押し解法の択も持っておくとどうしようもない時に役に立つ。

ただ、せっかくやるのにそんなゴリ押しだと嫌なのでもうちょい頑張りますw

まずベクトルの内積とかを勉強したときにチラっと聞いたことがあると思いますが、面積Sをある平面に射影したらScosθになります。


何故そうなるのかということですが、これは積分の断面の長さがLからLcosθになるからみたいなやつ。じゃあθってなんなんだよ!って話ですが、2平面のなす角はそれぞれの法線ベクトルのなす角として考えるのが一般的です。

たとえばxy平面の単位法線ベクトルの1つは当然(0,0,1)です。三角形OPQが乗っている平面の単位法線ベクトルを(l,m,n)とでもしましょうか。すると単位ベクトルなので絶対値は1ですから、cosθ=nとなります。
同様にすればl、m、nはそれぞれyz平面、xz平面、xy平面と三角形OPQが乗っている平面とのなす角のcosを表しますから射影面積はそれぞれlS、mS、nSとなります。
単位ベクトルなのでl^2+m^2+n^2=1ですから、2乗和を取ると題意の等式が示せるというわけです。

別に三角形じゃなくても一般の図形について成り立つんですが、最初に言った成分計算ゴリ押しが効くようにそうしているのでしょう。
成分計算ゴリ押しをした人が「センスがない」として落とされたのかどうかは知りませんがw

(2)
もう三角形はまるっきり関係なく、3変数の2乗和が固定された場合での1乗和の最大最小問題です。
(S1+S2+S3)^2=S1^2+S2^2+S3^2+(0以上の何か)なので、最小値Sは自明です (等号成立はS1=S2=0、S3=Sなど) 。
というわけで実質最大値を求める問題ですが、コーシー・シュワルツの不等式が見えれば即座に求まります。



第2問:難易度C

センターや共通テストで飽きるほど出てくる不定方程式の問題です。

(1)
不定方程式の1つの解を(X,Y)とすると一般解は(x,y)=(X+3k、Y-2k)と表せます。
ここで等号の右側が+6されると不定方程式の1つの解に(X+3,Y)があるので、同様に(x,y)=(X+3+3k、Y-2k)と表される。
x,y≧0が条件としてあって、kが増えるとyのほうが減るがkが減るとxのほうが減る。
y=Y-2kには変化がないのでkの上限は変わらないが、xは+3されている分、kの下限が-1される。よって解が1個増える……

…と思いきやよく考えたら具体的に(-m,m)という解がありますから、(x,y)=(-m+3k、m-2k)と表せて、m/3≦k≦m/2を満たす整数の範囲でkが動きますね。
これがm/3-1≦k≦m/2となるというだけですから、答案もこちらの方が書きやすそうです。

(2)
親切極まりないことに既に答えを教えてくれているのと、(1)でN(m+6)=N(m)+1という漸化式を証明したため、漸化式が出てきたら数学的帰納法という解法パターンに則れば一瞬です。やはり受験数学はパターンマッチングだったか…。
当然n=kで成立→n=k+6で成立しか示せないので、初期条件はm=0,1,2,3,4,5の6つ必要です。

……とするのが一番簡単なのでしょうが、せっかくm/3≦k≦m/2を満たす整数kの個数だと分かっているので直接求めてみましょう。答え教えてもらうの癪だしね。

とりあえず0≦k≦m/2を満たすkの個数は1+[m/2]個です。ここから0≦k<m/3を満たすkの個数を引けばよさそうですが、m/3が整数かどうかで表現が変わってきます。
別に場合分けすりゃいい気もしますが、あまり美しくないですしそもそも最終的に目指すべき形には[m/3]なんてものはなく代わりに[2m/3]があります。これは一体どういうことか。
2m/3というのをヒントに発想を変えて、m/3≦k≦mを満たすkの個数を考えてみると、これは1+[2m/3]個になります。不等号から=が無くなるとぴったり整数値が境界になるときに話が変になったので、両方等号のまま処理できる形に書き換えることで場合分けを回避しました。
0~mまでの中で、m/3≦k≦m/2の範囲のものを2回数えたことになるため、最後に0~mまでの全体の個数m+1を引いてやると…

1+[m/2] + 1+[2m/3] - (m+1) = 1-m+[m/2]+[2m/3]

と直接示すことに成功しました。やったね。