ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

大阪公立大学 数学 2024年度 やってみた

1か月前にインターネットのクソガキネト友に頼まれて1問だけやってみたんだけど、どうやらこのブログに辿り着く人は「大阪公立大学 2024」とかでググってる人が多いとアクセス解析に書いてあった。僕の思った以上にハム大の需要は高かったらしい。
というわけで他の問題もやってみるか… というお気持ち。

問題はTwitterで誰かがあげているのでそれをどうぞ。


第1問
背景は高校範囲外ということになっているが正直みんな知ってるアレ。

問1
さすがにできないと困ります、

2階微分するとf''(x)≧0になるのでf'(x)が単調増加、f'(0)=0なのでf'(x)≧0となりf(x)も単調増加で、f(0)=0なのでf(x)≧0となり不等式が示される。

問2
ひとまず(1)を利用し、

この形にすればΣが簡単に取れるため、はさみうちの原理の利用が考えられることは分かるでしょう。では上からは何を挟むのか…?

これは(1)をヒントに、有名事実sinx≦xを使えばよく、これでΣk/n^2で挟めます。あとはΣkとΣk^2の部分をバラせばおk

答えは1/2になるはずです。

問3
いきなり意味不明すぎるので恐らくまた(1)が誘導になっているのだろうという感覚は持っておきたい。

不等式を使ってsinxを挟んでやれば

これなら具体的に計算できます。
面倒そうな左辺を計算してみましょう。

これにn^αを掛けたものを考えるのですが、不定形解消のためこのように括ってやるとわかりやすい

括弧の中身が定数に収束するため、これなら不定形になりません。α>3/2で∞に発散なので、追い出しの原理からb_nも発散。α=3/2で2(2√2-1)/3に収束し、α<3/2なら0に収束です。
右辺もそうなるので、あとははさみうちの原理でOK。

第2問
個別で書いたのでこちらを見てください。

第3問
問題文が既に面倒なので嫌になってきます。

問1
とはいえこれはさすがに取っておきたい。基本的な部分積分で、前半部分の答えを後半部分に使うやつです。

答えのまとめ方はお好みで。

問2

半円上を長さπの線分が滑らずに回転する軌跡を求めよということらしい。
滑らず移動の時、移動距離がハミ出した線分の長さと同じというのは常識です。
つまり……

点Aと接点との距離はθであり、また線分ABは半円の接線であるため中心から接点を結んだベクトル(cosθ、sinθ)と垂直であり、その方向ベクトルは(sinθ、-cosθ)である。
というわけでA(cosθ+θsinθ、sinθ-θcosθ)と分かります。

問3
この問題の核部分ですが、絶対めんどくさいので本番では捨てていいでしょうw

dx/dtとdy/dtを求めて、θ=π/2でxが折り返すことが分かるので軌跡の概形をめっちゃ適当に描くとこうなる。
求めるのは面積なのでこれくらいの適当さでいいですw
求める面積は、次のようにy_1とy_2というものを考えてやると

このようになる。 (∫(x+1)dyでもいい)
当然、このまま積分は出来ないからパラメータ表示に直して

こうなる。
問1を利用するために変形すると

これで問1で求めた形になってくれた。

一気にやるのではなく、1つずつ分けて計算すると計算ミスが減ると思っている。
sin部分はどうせ0になることに気付けば、cos部分だけ考えればよい。

あとは、最後に1/2するのを忘れないように気を付けると、π/2+π^3/6が答えとなる。

第4問
整数問題って難しいよね。

問1
q=apを1つ目の式に代入して1文字消去しましょう。
5p^2+2p=(ap)^2+5apになるので
(a^2-5)p^2+(5a-2)p=0
p≠0から、p=(2-5a)/(a^2-5)です。qはそれにaを掛けてもろて。

問2
証明ばっかりでめんどうだな…。

1.
a=m/kを代入してみると見えてくる。

これが、5m-2kが5k^2-m^2の倍数ならば整数であることを示せ、と。ん、自明

qについても、pにm/kを掛けたものなので分子に乗ってるkがmに変わるだけ。

2.
逆が成り立つかどうかの証明。分子に乗ってる単独のkやmがm^2-5k^2を両方約分できてしまうと5m-2kが5k^2-m^2の倍数にならないかもしれない。
しかし、m/kが既約分数ということでmとkの最大公約数が1であるため、両方約分できてしまうということにはならない。というわけで示された。

3.
突如出現した121の意味が分からない難問。
ここまでで5m-2kが5k^2-m^2の倍数であることを示したので、これは5m-2k=121に限ることを示せということなのだろうか?
だがこの方針で向かうと詰む。何故ならk=1、m=2を代入してみると5m-2k=8、5k^2-m^2=1となり、5m-2kが5k^2-m^2の倍数であるのに5m-2k≠121であるからだ。偽の命題が真であることを示そうとしても詰むのは当然だ。
では121=11^2であることから、恐らく5k^2-m^2が1,11,121の3通りに限られることを示せということなのだろうか?

……と思ったのだが10分考えても全然何すればいいのか分からなかったので別の手を考えることにする。

まず、5m-2kが5k^2-m^2の倍数ということだが、よく考えると大抵の場合5m-2k<5k^2-m^2になりそうなので、そもそもこうなる状況自体がかなり限定されていそうだ。
というわけで一旦121のことは忘れてm、kの候補に制限をかけにいこう。

自然数nを用いて5m-2k=n(5k^2-m^2)と表せるとしよう。因数分解ができれば強いのだがなぁ…。
mとkでまとめてみよう。
m(5+nm)=k(2+5nk)
kとmが互いに素であるため、整数pを用いてpk=5+nm、pm=2+5nkとなる。これはちょっと進歩した気がする。
pが頭に乗っているが、これで5k^2-m^2を計算しよう。

お、121が出てきた。
さらに残りの部分も5m-2kと5k^2-m^2で括れて、いい感じである。
5m-2k=n(5k^2-m^2)であったから、これで消し去ると

完成!

pもnも整数であると置いたから、121は5k^2-m^2の整数倍、つまり121は5k^2-m^2の倍数であることが示された……。

終わってみれば互いに素という条件で制約を掛けにいくという方針だった。僕は整数は得意なんだけど完全にノリでやってるので正直あんまりこの辺のことはよくわかってないw

以上。僕は第2問で1時間以上かかったけど、他は1問20~30分程度。これ試験時間何分だっけ… 時間内に終わってないかもね。