ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

1992年度 東大後期数学 やってみた

ここから完全初見なので頑張って解きます。
この年は全18年中最も簡単な年だと難易度表に書いてあります。


第1問 難易度:C****

かかった時間:21分32秒

今となっては典型過ぎて、仮に前期に出たとしても取らないとまずい問題かもしれない。

(1)

全てのx≧1についてこれが成り立つaの最大値を求めよと言っています。

僕はこういうの、定数分離をする癖がついてしまっているが

このように、分離後の関数を逆有理化して単調減少関数を見えやすくして、x→∞で1/2に収束することから求めてもいい。
逆有理化は主に根号を含む不定形の極限で威力を発揮する変形法です。

本当に勘が悪くて微分する羽目になったとしても、単調減少であるゆえ増減を調べるのはさほど大変なことではないため、最終的なa_0を求めるに至ることはできます。

(2)

C(a)が本当に単調増加なのかどうかは知らないが、体積を求めるにおいてはx軸やy=xとの大小関係のみが重要であり、0<C(a)<xは式の形や(1)より明白であるため、立式に難しいことを考える必要はありません。

この積分を行えばよいです。
何故積分区間が1/cosθ?というのは、展開すれば分かります。

こうなって、1-a0^2/x^2の部分は容易に積分可能。課題は√(x^2-1)/xの部分です。


√に全部突っ込んでしまうと見えるはず。要は置換積分の方法を教えてくれていて、最終的な答えが出しやすいようにしてくれているわけです。
a_0=1/2を代入してまとめるとこうなるはず。

(3)
θ→π/2-0での極限。何がやりたいかっていうと、x→∞での広義積分を求めたいみたいな…。

-tanθ+1/cosθの部分が不定形なので、これを何とかすればいいです。

x=0近辺でsinが1次、cosが2次で近似できるのを知っていれば、次数が違うのでなんとなく0だなっていうのが分かるかと思います。適当にいじって不定形を解消しましょう。どうしてもわからなければ、t=θ-π/2として→0の極限にして、sint/tと(1-cost)/t^2の形を作るってのもアリ。

とりあえず不定形が解消できればそれでOK。極限は残りのところにπ/2を代入して、(π/2-5/4)πとなるはずです。


第2問 難易度:C**

かかった時間:33分16秒
抽象的な空間上の角度に対する問題。

(1)
空間上の抽象的な話をあれこれ考えるのは (少なくとも僕には) 難しいので、座標を設定してしまいます。
直線Lなるものがあるので、これをy軸に勝手にしてしまいましょう。ついでにL上に点Bなるものがあるのでこれを勝手に原点にしてしまいます。
固定されている半平面H_2がxy平面 (x≧0) であることにしましょう。ここまで勝手に設定しても一般性は失いません。

Cはxy平面上にあるはずなので、とりあえずC(X,Y,0)とでもしましょう (X>0) 。すると残るは点Aですが、これは

僕の空間把握能力の弱さではいちいちこう書かないと分からないんだがw A'(a,b,0) (a>0) をxz平面上の半径aの円に沿ってθ回転した点がAなのでA(acosθ,b,asinθ)とおけるはず。

すべての座標が求まったので、角ABCを求めましょう。と言っても、角度自体がそのまま求まるはずもなく、内積によってcosを求めるというアプローチを取ることになります。

内積の定義式に代入してやって、角ABCのcosが出てきます。θが増加するとcosθが減少していき、a>0、X>0よりcos角ABCも減少していく… つまり角ABC自体は増加していくことになります。

(2)
とりあえずうまく(1)を使うことが重要になるというのは想像に難くないでしょう。
任意の3点が同一平面上にあるというのは常識なので、


直線BD上に点A,Cが存在しないと仮定すれば、例えば直線BDが交線になる半平面ABDと半平面BCDを考えることができます。このように、交線上に2点、各平面にもう1点ずつが存在するように考えても一般性を失わないです。もちろんθ=0で半平面が一致していてもよいものとします (A=Cになったらダメ) 。

簡単に言いましたが、どの2点が交線上にあるようにすればいいのかは結構難しい問題です。設定のやり方を間違えるとうまくいかないです。まあ、4C2=6通りしかないので色々試してみましょう。

これで平面ABDが (というか点Aが) 動くとします。このとき角ABC+角BCD+角CDA+角DABについて、(1)から角ABCと角CDAはθに対して単調増加します。そもそも4点は既に決まっているので勝手にAを動かして単調増加というのは表現がよろしくない気がしますが、言い換えるとθ=πとしたときにAが辿り着く点をA'として
角ABC+角CDA≦角A'BC+角CDA'
が成り立つということです。

残りの角について、角BCDは固定で、角DABは一定です。これが一定なのは何故かというと、そりゃ三角形が1辺を軸に回転しようが形が変わるわけないよねっていうだけの話なので自明でいいでしょう。どうしても不安なら適当に内積でも取って一定値であると言っとけばいい。

とりあえず、何が分かるかというと、

角ABC+角BCD+角CDA+角DAB≦角A'BC+角BCD+角CDA'+角DA'B

であるということです。これはつまり4点A,B,C,Dが全て同一平面上にあり、かつ点AとCが直線BDに対し反対側にある場合について4角の和を考えると、残りの場合は全てそれ以下であるということです。ということで考えるべき状況がかなり限定されたので、非常に楽になりました。

まず4点ABCDで四角形が作れる場合。言い換えれば△ABC (これは一直線でもよい) の外部に点Dがある場合を考えます。

議論するまでもありませんね。四角形の内角の和なんだから2πに決まっています。

次、△ABCの内部 (辺AC上含む) に点Dがある場合。

この4角の和になりますが、これは小学校で習う算数でやる通り、角CDA×2になります。で、角CDA≦πですから確かに4角の和≦2πとなります。

さてさて、最初に「直線BD上にA,Cが無い」ことを仮定したので、最後にこの仮定を取っ払ってしまいましょう。つまり直線BD上にA,Cの少なくとも一方がある場合を考えるのですが、実はこれは先ほど見た2パターンのいずれかにおいて、ADCやABCが一直線上になったパターンで文字を適切に入れ替えてやれば言えてしまいます。

というわけで、すべての場合について4角の和≦2πであることが示されたのでした。





第3問 難易度:B***

かかった時間:38分29秒

全54問中2問
しかない貴重なB問題。
その割に苦労しましたw

(1)
とにかく適当にやっていれば、例えば本当に適当にn=10、m=3とか考えてみると


となって、n=7の場合とあまりが同じだな、繰り返していけばn=1の場合と余りが同じで、つまりP_1(x)になるな というイメージはつくことでしょう。
つまり、xの累乗で括ってやって繰り返し引いていけば余りが出てくるという構造がすぐに掴めるかと思います。
そうは言っても「繰り返し引いていけば」という表現には怪しさが残ります。ということで繰り返すことについての厳密な証明を与える数学的帰納法の出番です。

要は、1度括って次数を少しでも下げてしまったらそこはもう帰納法の仮定により示されているということにすれば、「何度も操作を繰り返せば~」などという曖昧な文言に頼らなくて済むということです。1度括ることで何個次数が下がるかは不明なので、n≦kの全ての場合についてを仮定してやらなければなりません。

調べたらもっといい方法がいくらでも見つかったのですが、僕は普通に割り算をしたことで真っ先にこの方法を思いついたのでこれで行かせていただきますw 冷静に考えてくださいよ。みんなと同じ解法だったらわざわざブログに書く意味ないでしょ。

(2)
よくわからんので具体的に書きます。

とりあえず、整数問題の基本は必要条件から攻めていことというのはもはや当たり前のように皆が行っていることです。というわけで私も必要条件から攻めさせていただきます。

最高位の次数が99なので、l-1+2(m-1)+4(n-1)=99つまりl+2m+4n=106であることがまず1つ目の条件。
そして気付きづらいかもしれませんが、x=1を代入することでlmn=100が2つ目の条件として出てきます。
この2つの条件だけでl,m,nの候補は圧倒的に絞れるため、調べてしまいましょう。100の約数が1,2,4,5,10,20,25,50,100しかないのでしらみ潰しても時間はそうかかりません。

全部調べてみると候補は(l,m,n)=(2,2,25)、(4,1,25)、(100,1,1)、(2,50,1)の4つしかないことがわかります。高々有限個になったので全部実際に計算して十分性を調べていけばよいでしょう。

すんません1ページに収めたかったので必要条件出すところは飛躍しちゃってます。
ちゃんとn≦25なので~ …とかからやりましょう。