ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2002年度 東工大後期数学 やってみた


第1問 難易度:C

無限級数1-1/3+1/5-1/7+……の値を求める問題です。
高校範囲で出来ますが、自力だと無理ゲーなのでこういうのが誘導つき数Ⅲ問題として出るのはよくあること。

(1)
いきなり何言ってんだって感じですが、これのΣ部分を書き出してみよう。

1-x^2+x^4-x^6+x^8+……

初項1、公比-x^2の等比数列の和と見れるかがポイントです。
等比数列の和なら知っている。


(2)
∫[0→1](1/(1+x^2))dx=π/4は反射的に出せると思いますが、それをやっても進展はない。
メタ読みで(1)が誘導になっているなということに気付き、1/(1+x^2)のところに積分記号がついていることから、ああこれは(1)の両辺を積分したんだなということに気付くはず。実際Σのところは具体的に積分計算したら確かにΣ(-1)^k/(2k+1)になりますね。

(1)の答えにx^(2n+2)があるので、1/(2n+3)で挟んでいる理由もわかります。分母の邪魔な1+x^2を不等式を使ってどかしてはさみうちの原理というわけです。
絶対値がついているのは、(-1)^nというものをケアするためですね。

(3)
さっき反射的に出したπ/4が答えというのはもう見れば分かる通りです。あとはきちんと記述書けますか??ってだけの問題。

難易度Cって書いてあるけどかなりB寄りだと思う。
パターン問題すぎて何も言うことがないですw




第2問 難易度:C

(1)



接線引いて、その間。以上。

(2)
M→Qはいいとして、P→Mが問題です。こんなの底面に沿うのが最短じゃないの?と思うかもしれませんが、さすがにそこまで単純だと問題にならないですw

たぶん中学生くらいでやってるんじゃないかなこれ。

円錐の展開図が扇形+円というのは中学生で習うので誰でも知ってると思いますが、底面を沿うルートは展開図でいう2つの青矢印ルート (図がアレだけど長さが同じということにしてください) で表されていますが、それよりも側面をこのように一直線に駆け抜けたほうが距離が短くなるよねというお話。

着想は中学生で出来ますが、ここから最小値を求めるというのに微分という超高等テクニックが必要なため、この問題は中学生には解けません。高校生になり、数Ⅲという非常に難易度の高い分野を学習することで武器が揃ってようやく解けるようになります。高校生って凄いですね。

実際には展開図の扇形の中心角は180°となり、弧のど真ん中をPと定めると弧PMの中心角はθ/2となります。 (弧PMの長さがθで扇形の半径が2となるので)
なので余弦定理でPM=√(8-8cos(θ/2))と求まります。



要求されているのはPM+MQの最小値ですから、MQも求めてやる必要があります。
MQ^2=(cosθ+2)^2+(sinθ)^2=4cosθ+5となるから、PM+MQは…

この式で表されます。これの最小値を求めろと言われています。
とりあえず微分するのですが、このまま微分するとヤバいことになりそうなので変形してせめて(三角関数)=tとでも置換したいところです。そのためにはとりあえずcosの角度を揃えたいところです。
1-cosと見ると半角公式でルートを外したくなりますが、sin(θ/4)が出てきて遠くなります。これをsinθとしてしまうミスはあるあるで、これで間違って角が揃ってしまうと破滅します。

ここは4cosθ+5=4(1+cosθ)+1=8(cos(θ/2))^2+1としてθ/2に揃えるのが正解で、cos(θ/2)=tとおくと
2√2・√(1-t)+√(8t^2+1)
となりだいぶわかりやすくなります。あとはこれのminを求めるだけで、微分の基本問題。

もしかしたら微分しなくて済む美しい解法があるのかもしれませんが、この程度ならそんなことを考えるよりは微分したほうが早いので素直に微分しましょう。