ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

1994年度 東工大後期数学 やってみた

第1問


条件から関数を決定するタイプの問題。
(ii)の条件は分かりやすそうですが、代入しても絶対値が邪魔で未知数を特定するに至りません。もちろん1とbの大小で場合分けをして条件を絞ることはできるものの、分岐が多すぎてややこしくなりますし、(iii)の条件でも分岐がまた分かれるのでパンクしてしまいます。

ここは視点を変えて、(i)の「f(x)は連続」というところと、F(x)がf(x)の積分で定義されているという点から攻めていきます。
定義から明らかに、F(x)を微分するとf(x)が出てきます。絶対値の中身的に、x≠bではF(x)がただの2次関数なので明らかにF(x)は微分可能でf(x)は連続ですが、x=bで連続かどうかは怪しいところです。
というわけでx=bでのf(x)の連続性から条件を絞っていくことになります。

すると、右極限が2b+ab+c、左極限が2b-ab+cとなります。これらが等しいことが必要ですから、ab=0という必要条件が出てきます。
a=0またはb=0というかなり強力な条件が出てきたため、一気にやりやすくなりました。a=0はそもそも絶対値自体消滅するのでメタ的にもダメそうですし、実際(ii)、(iii)の条件を同時に満たせないのでアウトです。というわけでb=0が確定し、絶対値の切り替わりポイントが確定するため以降の議論は容易です。

僕は必要条件、十分条件についての議論はあんまりよくわかっていないので、もしかしたら最後の「逆にこのとき」のところはいらない気がしますが、途中に「ab=0が必要」と書いちゃったので、一応十分性の確認の文言を入れています。もしかしたら入れたせいで逆に減点されるのかも…。 この辺はよくわかっておらず、苦手です。

第2問

当たり前ですが(2-√3)^(n+1)=(2-√3)^n・(2-√3)なのでこれについての漸化式が立てられそうです。というわけで数学的帰納法の出番っぽいです。


うまくいきません。もしかして帰納法じゃないのか!?

さすがにあまりにバカ正直すぎて、式のアプローチの仕方が間違っていると考えるべきでしょう。少し考えればわかりますが、そもそも√m-√(m-1)の√mのほうは整数です。整数なのにわざわざ平方根の形で表示しているというよくわからないことをしているわけです。
皆さんは中学生の時に√4+√9とか言われたら「いやいや、5だろ」と式に気持ち悪さを持ったかと思います。上で出てきた4つの√群にも、いくつか整数があってもう少し綺麗にまとめられるはずです。

もっと言うと、そもそも(2-√3)^n=(a_n-b_n√3)の形に表せるということにすぐに気付くはずです。そしてn=1,2,3あたりを調べてみるとこれをわざわざバラして√m-√(m-1)にしているというからくりに気付けるでしょう。
これで帰納法を回すことができます。


なお、(2-√3)^nに共役な(2+√3)^nを持ってきて、これらの積が1であることから
(2-√3)^n=√m-√(m-1)、(2+√3)^n=√m+√(m-1)であることがわかるため、これで示されたとする通好みの手もあります。
ただ、結構マニアックな手口なので帰納法で解けるようにすればいいでしょう。

以上。今回もさほど難しくなかったです。
現状難易度は1990、1991は難しかったものの、1992~1994は簡単です。