ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

東大英語40点台は実際どれくらい英語力がカスなのか?

東大に受かりたいなら英語をやれ! と誰もが口を揃えて言っています。東大英語は120点満点なのですが、うち70~80くらいとれるようにならないと東大に受かることはできない! みたいなことを無限に言われてきました。
僕は英語があまりにもできないため、東大英語は安定して40点台でした。ちなみにどの程度の英語力かといいますと、センター英語は基本安定8割で、本番は奇跡的に上振れて自己べ (9割) を出したとかそんなんです。一般的にはできるほうなのかもしれませんが、東大受験生にとってはカス同然です。

そんな東大英語40点台の人は一体どれくらい英語力がカスで、逆にどこで点を取っているのか? というのを今回は書いてみようかと思いますw

・東大英語の基本
120分120点で、問題形式は毎年同じような構成です。

1A 要約
1B 段落整序or空所補充
2 自由英作文
3 リスニング (30分)
4A 文法
4B 和訳
5 長文読解

これを120分で終わらせます。時間があまりにも足りないので時間戦略が重要になっており、時間対効率が悪い1Bや4Aは半ば捨て気味になる人もいるようです。よく知らんけど。

では東大英語40点台の人間はこのテストにどう取り組むのでしょうか?

1A
僕レベルになるとそもそも基本的に英文が読めないので、だいたい白紙提出です。本番も堂々の白紙提出でした。読むことすら不可能なのに要約なんてできるわけがありません。

1B
運次第で英弱の稼ぎどころです。
なぜなら段落整序は2割くらいしか意味が分からなくとも、話の大まかな流れと雰囲気により順番なら定めることができるからです。英文の意味がほとんど分からずとも解けるということで英弱にとってはまさに天の恵みのような分野なのです。
僕は東大25か年を使って問題演習をしていたのですが、段落整序に関しては8割方正答できていました。ただしここ数年は段落整序が出ないようなのでもうこの方法は使えないみたいです。
また、段落整序が出るか空所補充が出るかはであり、空所補充は分かるわけがないので出てきたら勘で埋めることになります。僕の年は運悪く空所補充だったので、勘で5問中1問の正解となり対策はまるっきり無駄に終わりました。

2
英弱の稼ぎどころです。なんせ「自由」なのですから、自分にわかる表現で書けばいいのです。
模試でも40点中12点くらいはここでの得点でした。しかし本番は怖いもので、ある大事件が起きます。

この問題がどうしたよ? と言いたくなる読者が大半でしょうが、あなたはまだ東大英語40点台の別格の英語力を舐めています。我々クラスになるとprepareの意味がわからないので全く見当違いのことを書き始めるため、なんとこの問題で(恐らく)0点になるという大事件が発生しました! つくづく本番とは怖いものです。

なお、自由英作文は2問ありますが、もう1問は「写真を見て、2人の人物の間の会話を想像せよ」というものだったので普通に書けました。開示点数から逆算すると恐らく6点くらいは来ていそうです。

3
リスニング。東大のリスニングは試験途中に30分間行われ、基本的に記号選択が15問あるため1問2点と言われています。 (120分中30分使うので120点中30点の配点と考えるのが自然)
今は5択らしいのですが、昔は4択問題だったのである程度勘でも合わせやすかったです。ただし漫然と勘で選択するだけでは平均7.5点しか取れないため、もう少しやりようがありそうです。

まず選択肢はすべて英語で書かれているのですが、英語力がカスすぎるので4つの選択肢のうち2,3個くらいは何言ってるかわかりません。それでも1個くらいは意味が分かる選択肢があるため、聴いている最中はこの選択肢の正誤判定に全集中します。
もしその選択肢が正しいと感じたらそれを選び、間違っていると感じたらほかの3つから勘で選びます。1/4の確率で注目した選択肢が正解になり、残り3/4のうち1/3が勘で合うのでなんとこれで平均正答率5割になるわけです!!

ハイ嘘です。正答率5割というのは「集中していたら1個の選択肢について100%正誤判断がつけられる」という仮定のもとでです。この英語力だとそんなわけはなく、20%くらいはいわゆる偽陽性偽陰性というものが発生します。
仮に自分の正誤判断が80%信頼できる、つまり「正答なのに誤答としてしまう」が5%、「誤答なのに正答としてしまう」が15%発生するとすると、最終的な正答率は4割になります。実際25か年を使った過去問演習ではだいたいこれくらいの正答率に落ち着きました。
もちろん勘をすべて外す可能性が無くもないですが、だいたい8点~16点の間に収まっていました。本番は14点だったはずなので、少し上振れを引いたようです。ただもちろん外れ値みたいな事象を引く可能性もあり、ここは正直です。

なお、今は5択らしいので正答率はこのやり方だと1/3くらいしか合いません。だいたい期待値で2点くらい下がることになりますが、正答率が低くなった分上振れも引きづらくなっているのでそれ以上に点数が落ち込む傾向になりそうです。

ちなみに注目選択肢をどれにするかの吟味は放送前に15分くらいかけて行います。なんだかんだで雰囲気で「これが正答である可能性は低そうだな…」ってのはなんとなくわかるので、ある程度期待できそうな選択肢に集中することで少しでも期待値を上げるのです。
リスニングがあまりに苦手だとリスニングを捨てて記号は勘で埋め、空いた時間をほかの問題に回すという戦略をとる人もいるようですが、40点台レベルになるとそもそもできることが少なすぎて時間がものすごく余る (30分くらいは暇になる) ので、逆にこういうところでアホほど時間を使うことになります。

4A
英弱の点の取りどころです。何故ならいくら英語が苦手でも「動詞は1文内に1個しかない」とか「熟語を作ってそれっぽくしてるけど意味的におかしい」とか「前置詞に罠がある」とかそういうのはなんとなく知っているので、なんとなく雰囲気で正解を見つけられることがよくあるためです。

たとえば本番の2014年度の問題ですが、家族についての話をしていることはわかりますが、知らない単語が多すぎて何言ってるかはわかりません。それでも…

(1) 文末のhasの目的語 (でいいのか?) が見当たらず、家族が持つものが不明瞭なので違和感
(5) any otherは知ってるけどany of otherってなに…?

と2問くらいは文章が意味不明でもなんとなくこれおかしくね? という雰囲気くらいはなんとなく掴めたりします。あと、不要語除去だとどうせ前置詞とか関係代名詞とかだろwっていうメタ読みから半分勘で合ったりします。
訓練の甲斐あり、本番は5問中4問正解という大快挙を成し遂げました。英語が苦手な人に対してまさに天の恵みのような大問です。

とか言って、雰囲気で答えを書いているだけで数学みたいに確固たる根拠があって書いているわけではないため、基本的に正答するかどうかは運です。

4B
下線部和訳。基本捨てと言いたいところですが、東大英語は単語自体の難易度が低いため、1個くらいは自分でも知ってるレベルの単語だけで構成された下線があるためそこで点を取れます。
ただし単語を知っているかどうかはであるため、1問も書けなくて白紙もあり得ます。
本番だと(1)はefficientlyが、(2)はguaranteeが僕は意味を知らないので終わりなんですが、(3)だけはtaxationが課税ってことはなんとか知っていたので知らない単語が存在せず、奇跡的に模範解答に近いものが書けました。僕は合格最低点+50点とかで受かったので別にこれができてなくても (つーかそもそも英語が0点でも) 受かってたのですが、もしギリギリの合格だったら税最高! 税のおかげで大切な仲間とも出会えたよ! と言い続けていたかもしれません。


5
長文読解です。だいたい小説文寄りなので単語の意味が分からなくても大まかな雰囲気がつかめるため、思った以上に点が取れます。ただし「前置詞を埋めろ」とかはもちろん分かりませんし、深く文意が掴めないため記述問題はもちろんお手上げなので簡単目な記号選択問題でしか稼げません。まあ6点くらいは取れるかもねってくらいです。

というか記号選択が多いので点数はに左右されます。本番何点取れたかは知りませんが、確か記号がめちゃくちゃ合ってたので9点くらいは取ったんじゃないかなと思います。


以上。本番僕は43点だったのですが、予想は
1A 0点
1B 2点
2A 6点
2B 0点
3 14点
4A 8点
4B 4点
5 9点

といった感じです。見返すと「運」に任せている部分が多いのですが、これほどまでに運が多いと逆に収束するため、安定して40点程度を彷徨います。60面サイコロを1回投げると端に寄った目がそりゃ出ますが、6面サイコロを10回投げても極端な合計値はほとんど出ないのと同じ理屈です。
たまに「数学は運!」って言ってる人がいて、僕は言ってる意味がよくわからないのですが、もしかしたらその人の数学の実力が、英語で言う僕くらいしかないので、運に左右されているということなのかもしれないと思っています。

というわけで東大英語40点台って、中学英単語すら怪しいカスってことです。実際TOEICなんて365点でしたし、マジでその辺の中学生のほうが英語できるんじゃないの?ってレベルです。逆に言うとこんなんでも40点取れるので、数学と理科で巻き返しが利く範疇の差しかつかないということです。どうも今は東大英語が難化しているようで、実際僕が今やると20点とかになりそうなのですが、10年前当時は理数で無双する僕みたいなタイプにも優しい大学だったんじゃないかなーと僕は勝手に思ってます。

おわり。