ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

入試数学で一番大事なのは「標準的な問題を素早く正確に解く能力」

前回こんな記事を書いた。

この記事は長ったらしく色々なことを書いたが、結局言いたかったことは「150分の試験のように見えて、実は最初の60分で大勢が決している」ということだ。

「解けそうな問題にこだわっていたらなかなか解けず、いつの間にか50分ほど経過していて茫然自失になった」

誰もがよくある経験ではないだろうか?
本番でこれが起きたら目も当てられない。だからこそ多少のことでは物怖じしないメンタルと、どのような状況になっても立て直し最低限度の得点を確保する場慣れが必要である。
まだ1秒も取り組んでいない問題があるうちから1問に50分もかけるなどあってはならない。僕は計算ミスだろうが、もう少しで終わりそうだろうがなんだろうが10分弱取り組んで進展がみられなければ切り上げて次の問題に行っていた。

正直、入試数学の点数を左右するのは多少の数学力の優劣よりも、タイムマネジメント能力のほうだと僕は本気で思ってる。

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さて、ところで皆さんは「東大数学で100点over」と聞くとどんな人を想像するだろうか? 発想力が卓越しているとか、数学のセンスがあるとか、いわゆる大数D問題を簡単に解いてしまうとかそういうのを想像しているのかもしれないが、実際のところは満遍なく演習しているので詰む分野が無くて、処理速度が超早い。
例えば今年の京大を3完している人たちの答案を集めたとして、解けた3問は

1 2 3 とか
2 3 4 とか
1 2 4 とか
2 4 5 とか
1 4 6 とか

……まあ、色々な3問の取り方がある。今年は割と難易度が横並びだったこともあり、誰もが取っていない捨て問題というのは無いはずだ。

ということは1 2 3 4 5 6は全て普通の受験生が解けるレベルの問題ということになる。ならば全部取れる。6完だ。
京大190点、東大100点取る人間というのはこういうことであり、決して「誰もが解けないような難問をすらすらと解ける」というわけではない。あくまで問題の難易度は普通なのだから、何ら特別な思考はしていない。ただ、異様に速いし苦手な分野が無いだけ。

ということで、ひたすら難しい問題ばかり演習するのではなく、むしろ簡単な問題を素早く解ける能力のほうが重要だったりする。100点取る人だって、大数D問題には30~40分かかったりする。そのような問題には手を付けるなと一般的には言われているのだが、解くのが早すぎてそれまでの5問が100分で終わっていれば他にやることがなく40分くらいかけてこの問題に取り組んだほうが点数が上がるのだから取り組むというただそれだけの話なのだ。

当たり前のことだが、入試数学は解けそうなものから順に解いていくのが普通であるため標準的な問題を全て片付けないと難問への挑戦権すら得られない。難問の演習ばかりをいくら積み重ねたところで、標準的な問題を解くだけで時間がいっぱいになってしまうのならその成果は実ってくれないのだ。そして最後の1問に取り組む時間が30分や40分もあればいくら東大の問題とはいえ、10分くらい試行錯誤する時間はあるのでマニアックな解法暗記なんかする必要もなく、その場で考えればいいということになる。

というわけで、標準レベルの問題を出来るだけ早く解けるように&解法が分からないということがないようにするのが先決。
まずは今年の東大の問題を6(2)以外全部解けるようにしましょう。まだスピードは気にしなくていい。最初は250分とかかかってもいい。その代わりわからなくても答えを見ずに、降参なら降参で参考書とかで似たような問題の取り扱いを復習しつつ日を改めて再チャレンジ。
あとは思い出したころにもう1度5.5問セットでやってみる。どうせ今年の問題は東大受験生レベルなら見て1分で方針が立つものばかりなのだから「見たことある問題は方針がすぐ立つので~」などはどうでもいい。何度もこのセットの計算練習をして徐々にスピードを上げていき最終的にこれを150分に収まるようにするのだ。

それくらいのスピードを身に着けたら1995,2002,2017の3弱制限時間120分で解く訓練もいいかもしれない。正直この18問の中で解けない問題があったらそれは明確な弱点だ。簡単なセットは弱点を浮かび上がらせるためにも効果的だ。

あとはそれなりのセットで演習しましょう。2014もかなり典型寄りなので速度練習にはもってこいです。

厳しい訓練だと思うが、これが出来ればあなたも数学で非常に大きなアドバンテージが得られるようになるのかもしれない。責任は持ちません。