ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

1997年度 東工大後期数学 やってみた

まだ半分も終わってないのかよ…。

第1問

軌跡と積分&極限の複合問題です。
とりあえずC_2なるものを求めないと話が進みません。
軌跡の問題では、軌跡上の点を(X,Y)とでも置いて、この点が満たす条件からXとYの間の関係式を導くというのが超基本手順です。その基本に倣ってC_2上の点を(X,Y)とでも置きましょう。

この(X,Y)が満たす条件とは、y=x^2上に両端を持つ長さ1の線分の中点ということです。言い換えると、距離1/2のところにy=x^2との交点が2つあり、さらに2交点と点(X,Y)が一直線上に並んでいるということを意味します。

イメージとしてはこの2パターンですが、特に場合分けは必要ありません。

ここで、この赤い線分はy軸平行ではない (y=x^2はxに対してyが一意に定まるため、y軸平行の直線と2点で交わることが無い) ため、線分の傾きを考えることができます。
x軸と線分のなす角をθとすると、放物線上の点は(X,Y)との距離が1/2なのですから(X±cosθ/2、Y±sinθ/2)とおけるはずです。そしてy=x^2上にあるという条件があるため、代入してやれば(X,Y)に関する条件を三角関数を用いて表すことができます。

具体的には以下の2式が成り立つθが存在することが必要十分。

式を足し引きしてやればいろいろな項が消えそうなので処理が楽そうです。
割とすぐに
X=(tanθ)/2
Y=(tanθ)^2+(cosθ)^2/4
と出てきます。
そして(cosθ)^2=1/(1+(tanθ)^2)という変換くらいは出来て当然と言ってしかるべきでしょう。三角関数をtanθに統一するとすぐy=x^2+1/(4(4x^2+1))という式が出ます。
これはまだ必要条件なので、本当にこの時θが存在するのかを言わねばなりません。今回はtanθ=2xでtanθに制限がありませんから、xは全実数をとるはずです。

この軌跡が本当に正しいかどうか検算をしたいところです。まず簡単なx=0を代入するとy=1/4。点(0,1/4)を考えると、確かに点(±1/2、1/4)から伸ばした長さ1の線分の中点となっているので合っていそう。
もう1つの手段として、この曲線はy=x^2を漸近線に持つということからもなんとなく合っていそうだなという安心を得ることができます。というのも、条件を満たす点はy=x^2に限りなく近づいていくのは直感的に当たり前だからです。代入するだけが検算の手法ではないということです。

というわけでめでたく軌跡を求めたところで、次は面積の極限計算です。漸近線y=x^2との差を積分するというわけですから、求める極限はこちら。


はい。∫1/(ax^2+b)dx=1/√(ab)・Arctan(√(a/b)x+Cというのは高校範囲外のくせにどうせみんな知ってるレベルのお話なのでもういいでしょう。x→∞でArctan(x)→π/2なのでそれでおしまいなんですが、わざわざtan置換しないとダメ?


第2問

あまりにも簡単すぎて逆に何か見落としてないか不安になりそうなレベルの問題です。
大数評価は知りませんが絶対難易度Aです。断言します。

X_nがOにある確率をp_nとすると、Oにいる時は次はOじゃないところに行き、Oじゃないところにいる時は次は1/3の確率でOに行きます。なので

p_(n+1)=(1-p_n)/3
p_1=0

という漸化式が成立します。まさかこれ解けない人なんていないでしょう。
問題文がやたら回りくどいのでむしろ国語の問題なのかもしれません。