ここまでなんだかんだ順調に進んできました。しかし……。
第1問 難易度:D
まずこれを見た瞬間「うっ」と声が出た。不等式の証明は実は僕が空間図形と同等に苦手とするところであり、何をかくそう実際の大学入試本番でも唯一詰まった問題が「不等式の証明」だった (2014年度大問4(1) 30分かけてようやく解けた)
そのためこの問題はもしかしたら僕には解けないかもしれない……。だが、一応やってみよう。
(1)
(2)で一般の場合について証明せよとあり、(1)ではn=2の場合についての証明が求められている。
n=1なら0<a1とa1x1≦a1y1からx1≦y1は自明すぎるので、n=2の場合で行う証明手順を繰り返せば一般のnについて求まる、つまり数学的帰納法で示すということなのだろう…。
という予想がつき、不等式を眺めて
要はこういう話の流れになるんだなということは予想はつく。
が、何故かこの変形に手間取り、この問題に25分かかってしまうw
要は、変化の差分だけ両辺に足してやるのだが、不等号の向きが同じなので大小関係は乱されないというだけの簡単な話なのだが、分解して考えてまずa1x1とa1y1を引こうとしたため、あれ? 大小関係崩れちゃうな? となって別の発想にシフトしてしまっていた。
一気にやってしまえば簡単な話だったのだが。
本当に不等式の証明は苦手。
(2)
正直(1)が解けたら発想の核はもう見つけ出したため勝ちも同然だと思っている。
同じようなことを行えば示せそうだ。
ただ、まだ全容が掴み切れていないため、掴むためにn=3の場合の証明を行う。
ふむ。
当然、n=4の場合はこの不等式の両辺にa_4を足し、(a_4-a_3)Σxk≦(a_4-a_3)Σykを加算してやると示せる… として以下同じことをすればいいので確かに数学的帰納法で示せます。
というわけで、からくりを掴めば後はどうにかなるが、最初のからくりに気付くのがハードルなタイプの問題でした。こういうの、(1)で詰んでそこさえ分かれば後は完答一直線って感じだから嫌いなんだよな…。
第2問 難易度:C
1999年度第1問の難易度抑え目バージョンです。
sinの山1つ分の区間ごとに考えて、x^2を不等式で積分の外に追い出してはさみうちの原理を使ってやればOK。やること自体は完全に同じです。
難易度が抑え目というのは、1999年度のものと違いこれは部分積分によって実際に計算できるので、もしはさみうちの発想がなくとも直接計算してやれば答えが求まるからです。
ただ、直接計算できるがゆえにはさみうちの発想に至らず、計算地獄に陥るという罠が逆にあります。計算できないのなら他の手立てを考えるが、計算できてしまうことにより逆に発想の幅を狭めてしまう、これはよくあることではないでしょうか?
普段から問題を見た時に4種類の解法をイメージしておこう。
1.答えだけは出せる解法
要は論証めちゃくちゃ、どうせこうだろうという決めつけが多く解答に書いたら論証不備で0点になるが、答えだけは出るような解法。
中学受験算数でよくやったりするアレ。正三角形と決めつけて答え予想するなど。
1999-1で「どうせ答えは∫1/(1+x)dxの半分だろ!」って読めるだけでも意外と視野が広がってくる。
2.飛び道具
コーシー・シュワルツや常人には思いつかない補助線や補助図形により一発で終了する解法。メインには据えないが、引き出しに入れておくと天啓が降りてくるかも。
1,2分だけ考えたりする。
3.答案に書く解法
恐らく想定解だと思われるもの。
模範解答に掲載されているような一般的解法。
4.計算地獄・最終手段
tan(x/2)=tとおく、座標を置いてめっちゃ文字が多いけど一応計算すれば答えは出る、場合の数ですべて書き出す、など汎用性自体は高いが計算量がアホほど多いので到底普段使いできないような解法。
想定解が思いつかずどうしようもない時の切り札。
今回の直接計算は「4」の解法に該当するとまでは言えないかもしれないが、往々にしてこういうことはある。
はさみうちルートを取った時は(k/n)^2≦x^2≦(k+1/n)^2を使ってx^2を積分の外に追い出し、こんな感じのもので挟むことになる。
sin、cosの1つの山の面積は2であるため、1/nπ倍に引き伸ばした今回の1つの山は面積2/nπというのは覚えておくと計算しなくても済む。
Σとって極限を取るので区分求積法でいける。