完全に個人の趣味でやってたんですが、無事完走できそうです。
これ終わったら次は何しようかなあ。
第1問 難易度:C
(1)
2式を足す&引くすれば等比数列が出てくると問題文に書いてあるため、最後にその2式を足して2で割ってやればおしまい。
(2)
数列anというのはこのように指数関数を2つ足したものになります。
指数関数の収束条件は公比をrとして
|r|<1 0に収束
r=1 1に収束
r≦-1 振動
r>1 発散
なのが基本。
というわけでとりあえず|公比|≦1を真っ先に考えますが、なんと2つの公比が同時に絶対値1以下になることがありません。少なくとも一方は振動するか無限の彼方に吹っ飛んでいくことになります。
というわけで、無限の彼方に飛んでいきそうなほうを係数(a+b)、(a-b)を0にすることで消し去り、もう片方は-1<公比≦1で押さえつけるというのがまず第一案。こちらは誰もが思いつくことでしょう。
この際a≠bという条件があることに要注意です。a-b=0にはなり得ないため、t/(t^2+1)が吹っ飛んでいくことは止められません。
両方とも無限の彼方に飛んで行った場合はダメかと思いきや、∞-∞という不定形が発生すればまだ収束の可能性は残されています。
不定形が発生したらまずその解消から取り掛かるというのは常識です。
というわけで∞-∞の解消から取り掛かるわけですが、これはどうすればいいのか。
ここで極限の授業で最初の方にやった、非常に自明のことのように思える極限
3^n-2^n→∞
みたいなやつをどうやって示したか? ということを思い出してみましょう。
これは、両辺をどっちかのn乗で割って、たとえば
((3/2)^n-1)・2^n→∞・∞=∞
として不定形を解消したのでした。
同じようにしましょう。
t^(n-1)のほうはたまに振動してめんどくさいので、振動しないほうを外に出してやります。
これで(なんか)×∞になりました。これが収束するには (括弧の中は1/∞にはならないので) 0×∞という不定形になることが必要です。また不定形かよって感じですが、条件が厳しいのでa,bがかなり限定され、あとは十分条件を個別に調べてやればよさそうです。
実際に調べると、t(t^2+1)/10というのが0に収束すると、またa-b=0という成り立たない条件が出てくるので1に収束して、2a=0が必要。
つまりa=0、t=2が必要で、このときan=0が恒等的に成り立つので確かに収束することが言えます。
これですべての条件を考え尽くしたので、終わりです。
当たり前のことですが、逆に言えばすべての条件を考え尽くすまで終わりではないので気をつけましょう。
第2問 難易度:C
(1)
グラフ描けって言われたら変曲点まで書きましょう。
(2)
3次関数で、変曲点を通る接線は他に共有点を持たないみたいな話を聞いたことがある人もいるかもしれないが、イメージはそれと同じ感じ。
例えばこのへんの接線だと、x→∞でCの傾きは0に限りなく近づくから、いずれCのほうが接線に追いついてきて遥か彼方で交わることになる。
奥の方の接線だと、左側にそり立つ壁があって閉じ込められるので交わらざるを得ない。
しかし変曲点においては、グラフが左側で下に凸、右側で上に凸であるため、直線とグラフの上下関係が固定になるため、共有点を他に持ちません。
そうそう。x≦1においても接線の傾きが負であることから共有点が1個なのは自明ですね。
…というわけで、
0<α≦1、α=eで1個、それ以外で2個というのがわかります。
が、この話をどう数学的に表現すればいいのかは非常に悩ましく、特に「そり立つ壁があるのでどこかと交わらざるを得ない」なんてマジでどう書けばいいんだ? というお話になってくる。
凸性によるx<eにおけるf'(x)の単調性とx→0でf'(x)→-∞だから、接線の傾き<グラフの傾きになる点があって、そこの接線よりはグラフは上にあるから…?
ああ。曲線=f(x)、直線=g(x)として、f(x)-g(x)の単調性と符号変化を証明して中間値の定理でいいのかということに気付くのに15分くらいかかる。
これは僕だけかもしれないが、イメージだけが先行していくので、言いたいことを数式に落とし込むという作業がかなりキツいハードルになって厳密性を欠いてしまい減点されるというのがよくある。指定暴力団鉄緑会にいた頃なんとなくこの弱点には気付いていて、純粋数学には向いていないのかなと思って数学科に行くことは諦めたという過去があります。
(3)
おわり。
次で最後です。