ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

東大生物2014 リベンジしてみた

わたくし、東大2014受験なんですけど、実は当時二つ心残りがありました。
一つは数学で6完できなかったこと、もう一つは生物で爆死したことです。
当時東大生物 (※60点満点) で50点取るぞ!と常に息巻いていたんですが、本番は全然解けなかった…というか自分の知識の穴をことごとく突かれ、終わってみれば30点あるか怪しいほどの出来…
開示得点を見たら41点と、生物選択者として合格点を上回る程度はあったのですが、それでも50点取るぞ! ってあれほど言ってたわりに恥ずかしい点数だったのであんまり「僕は生物得意でした」って言いたくないんですよね。

というわけで、勉強し直してるこの機会にリベンジしてみました。

問題は探せば落ちてた→

東京大学 2014年過去問 - ◆大学受験の予備校・塾なら東研!

第1問
2023に比べりゃ全然分量が大したことないですね (笑)
まずは知識問題から行きましょう。

A:
恥ずかしながら、受験当時これが埋まりませんでした (死
カモノハシ→単孔類 コアラ→有袋類
というただの一般常識問題なんですが、カモノハシのほうが埋まらなかったw
これが本番の魔物ってやつですか。まあ当時そもそもカモノハシが「単孔類」ってこと知らんかったんですが。ほんとに生物選択か?

B:
酸素解離曲線を読み取る問題です。
基本中の基本に思えますが、実は地味に難易度が高いです。

まずグラフが2本ありますが、どっちがどっちのヘモグロビンを表しているかすら書かれていません。
つまり我々はまず成体型ヘモグロビンと胎仔型ヘモグロビンのどちらのほうが酸素結合能が高いかを見極めねばならないのです。
そんなん知らねー! って感じですが、ヒントはリード文にあります。
胎盤で母体から胎仔が酸素を受け取るということなので、母体のほうが酸素結合能が高いと逆に母体に酸素が吸われてしまいます。
というわけで、上側のグラフが胎仔型、下側が母体型であることがわかります。

これさえ分かれば後はグラフの読み取りです。
胎盤では成体型ヘモグロビンの40%が酸素ヘモグロビンであると書かれているので、グラフを読むとここでの酸素分圧が30mmHgであることがわかります。40%での酸素分圧のキリの良さからどっちがどっちのグラフかを予測した人もいそうですが、それは置いといてこのとき胎仔型のほうの酸素ヘモグロビンは70%ですね。
胎仔末梢組織においては酸素分圧が10mmHgになるということで、ここで胎仔型のほうのグラフを読むと20%になります。
というわけで50%分の酸素が放出されるということになります。
問題文には100%が20mLに相当するとあるので、答えは10mLです。

ちなみにグラフを逆に考えて答えを出すと1mLになります。いくらなんでも酸素足りなさすぎて死にそうなので間違いに気付いたかと思いますw

ちなみに僕は当時間違えました。

第1問Ⅰはこれで終わりです。

第1問Ⅱ。そういやまた問題がAからなんですけど、いつから問題番号をリセットしなくなったんですかね。
難易度はかなり高く、1問1問が重いです。

A:
リード文がとにかく難解で、情報を整理するのも一苦労です。
表1-1に注目しましょう。
どうやら

正常な8細胞期胚→胎盤と胎仔どちらにも分布する
ES細胞→胎仔のみに分布する
四倍体の8細胞期胚→胎盤のみに分布する

という違いがあるようです。
ならばES細胞と四倍体8細胞期胚を合わせると、胎仔はES細胞由来の細胞のみ、胎盤は四倍体8細胞期胚由来の細胞のみが分布することが期待されます。

この問題は大丈夫でしょう。

B:
[文3]を読むと、要は哺乳類にはパパから貰った遺伝子しか発現しない部分と、ママから貰った遺伝子しか発現しない部分があるため、パパとママ両方の染色体が無いと正常に産まれてきませんよという話をしているようです。

そのうえで、精原細胞の核を移植してクローン胚を作製したらダメでした。何故ですか?と問われています。ということは記述の方向性としては、ママの染色体が無いからという話になりますね。

3行程度とのことで100字くらい書かなきゃいけないらしいので頑張りましょう。何故ママの染色体が無いのかというと、リード文には「親の始原生殖細胞において、その性に応じてオス型あるいはメス型の印が染色体上につけられるため」と書いてあるので、これを抜き出してしまえばいいです。

精原細胞は、始原生殖細胞の段階でオス型の印がつけられており、母由来の相同染色体上でのみ発現する遺伝子が発現できないから。

……? 50字くらいしかありません。まだ要素が足りないようです。
よくわからないですが、そういえば「二倍体である体細胞の核をもちいた核移植により、正常なクローン個体を得ることができる」と問題文の始めにありました。ということはこれと対比させるの…?

体細胞の核を用いた場合はゲノム刷り込みが行われないため正常に発生する。精原細胞の核を用いた場合は始原生殖細胞の段階で染色体上にオス型の印がつけられるため、母由来の染色体上でのみ発現する遺伝子が発現せず正常に発生しない。

これでいいのかな…。
ていうか10年前のことなのでもう覚えてないんですが、当時の自分がここまで書けたほど頭が良かったとは思えないです。

C:
まずこのキメラ個体のオスの遺伝子には野生型由来のAAとES細胞由来のAaが混在しているはずです。
メスは野生型なので100%AAですから、ES細胞由来の遺伝子と掛け合わさったうちの50%が第1世代において遺伝子型Aaになるということがわかります。
それが10%なのでES細胞由来のAaは20%。つまり野生型に由来する細胞は80%となります。

空欄4は埋まりましたが、空欄3は一体何…? 
これはオス由来の生殖細胞の話をしているので、精子とか精原細胞とかでいいでしょう。
ただしこの連想が自明かと言われるとそこまででもなさそうなので、埋まらずに涙を飲んだ人も結構いそうです。

D:
表1-2を見ると、メスAaとオスAAから遺伝子型Aaの子が正常発生しない。言い換えればメスからaが来た場合に正常発生しない。つまりリード文の話を踏まえると、このAというものは母由来の染色体上でのみ発現するんじゃないか??? という予想が立ちます。

それを踏まえて実験2を行いました。
一体何がしたくてこの実験を行ったのかを考えてみましょう。やってることは代理出産です。そして、代理出産をさせてもメス由来のaを持つ個体は発生しなかったということが読み取れます。
この代理出産によって何が否定されたのか? という設問ですが、要は受精卵ができた時点でもう運命が決まってて、AAの母親に産ませようとしても無駄ですよということがわかるんですが、正直直感的には普通影響しないだろって思うので何を書けばいいのかがさっぱりわからなかった人も多いのではないでしょうか。僕もホントにこれでいいのか正直よくわかりませんでした。

母体の遺伝子型が胎仔の発生可否に影響を与える可能性。

E:
ようやく簡単な設問です。
母由来のAが無い者は全員死ぬのですから、aaが死ぬのは当然として、Aaも半分逝きます。
というわけで本来AA:Aa:aa=1:2:1で発生するところ、Aaの半分とaaすべてが死亡するためAA:Aa=1:1という表現型になります。

F:
実はどうやら発生停止は胎仔ではなく胎盤に問題があるのではないかという話になってきました。今明かされる衝撃の新事実。
というわけで胎盤だけを正常化したいということで、胎盤にしか分化しない四倍体8細胞胚の出番です。
実はこの問題、受験本番でどうしてもわからなくて結局半分勘で答えを埋めたことを覚えています。ということは僕は当時この問題のテーマを理解していなかったということですねw

というわけで正常な胎盤を得るために遺伝子型AAの四倍体8細胞胚を使いたいため、空欄8は四倍体で確定です。
次に空欄5ですが、とりあえずメス由来のaが無いと話にならないので、ここに入るのはAaです。そして空欄7まで四倍体だと胎仔が無くなっちゃうので二倍体になるはず。
ここでオスはAA、Aaどちらでも構いません。雌由来のaが来た場合を考えればいいため、オスがAAならばAa、オスがAaならば(Aaだとどっちかわからないので)aaからなる胎仔が正常発生すれば、晴れて胎盤さえなんとかなれば正常発生することが示されます。

というわけで答えは(2)、(7)です。

テーマを理解すれば正答に至れますが、ちょっと題意の把握が難しく、難易度が低いとは言えなさそうです。

第1問はこれで終了です。
分量こそ多くはないものの、1問1問がそう簡単ではないためかなり苦戦したでしょう。


第2問
マジでこれが諸悪の根源だった。

2023年度の記事に「窒素固定あたりの理解度が曖昧で本番爆死した」と言った気がしますが、それがこの大問です。
わたくしなんと、第2問Ⅰは全ての問題を間違えて0点です!

全部間違えるなんて一体どんな問いなんだ?? 気になる問題群はこちら!

 

A:
知らねーーーーーー!!!!!

RNA、DNA→塩基部分にNがあります。
ATP→アデノシン三リン酸。アデニン+リボースでアデニンにNがある。
グリコーゲン、コラーゲン→俺さ、アミノ酸やタンパク質にNがあるのは知ってるんだけどさ、これらがタンパク質かどうかを知らないんだ。
脂肪→CHO以外に何があったか無かったかは知らんが、窒素が無いことはわかる。
乳酸→C6H6O3なのでない
尿酸→すまん化学式知らない (終了)

というわけでRNA、DNA、ATP以外勘で書いて見事に間違えました。

答えはRNA、DNA、ATP、コラーゲン、尿酸らしいです。
ふと思ったんだけど、これもしかして俺に化学的常識が無さすぎるだけでみんな正解してるやつか?

B:
なあ2023の電子の数かぞえるだけで埋まる化学式を見習ってくれよ…。 一から書けないよこんなの…w

亜硝酸菌:2NH4++3O2→2NO2-+2H2O+4H+
硝酸菌:2NO2-+O2→2NO3-

これは書けるんですけど、この問題で答えなければならないのはどうやらその先。
ていうかこれって生物の問題なのか???

電子供与反応:NO2- + H2O → NO3- + 2H+ +2e-
電子受容反応:2H+ + 2e- + 1/2O2 → H2O

すみません。これむしろ化学完全に忘れてる今のほうが書けないです。

C:

①が窒素固定。②は化学合成、③と④は植物内での硝化還元反応で、⑤が窒素同化というやつです。
既に言及されているNO2-→NO3-の反応と同類なので②は間違いなく答えに入ってるというのは一瞬で分かりますし、③、④は逆の反応になってるのもあって違うだろうということもわかり、⑤は同化なので違うというのもわかるんですが、本番は①がわからず終了しましたw

窒素固定はエネルギーを使うので①も違って、答えはだけらしいです。
ちなみに酸化反応を答えればいいって話なのでは? というツッコミは受け付けておりません。僕は化学苦手過ぎてそういう発想の引き出しがなかったのです。

D:
実験を自分で考えろという問題です。
NH4+の蓄積 or 窒素同化産物の欠乏のどちらが原因になっているかを特定したいとのことなので、どちらかの要因を無くしてしまえばいいということです。
もちろん、それ以外の条件が変わらない対照実験を提案することにも注意が必要です。

本番これ、書けませんでした。
実はこの「実験を自分で考えろ」っていう問題は当時過去問にありそうでなかった出題形式で、僕はこういう「無から何かを提案する」っていうのが苦手だったようです。
まあ書いたは書いたのですが、ちんぷんかんぷんなことを書いていたはずなので恐らく0点だったんじゃないかと思います。あまり整理がつきませんでした。

実験を2通り考えろということなので、1つ目はグルホシネート処理条件下で窒素同化産物を与えてみるということ。2つ目はグルホシネート未処理条件下でNH4+を与えてみるということをテーマにして書いていけばよさそうです。


今見てもなんか解いていて不安になる嫌らしい問題ばっかりですねw
とはいえ、ここだけで少なく見積もっても8点程度落としたんじゃないかと思います。この年度、化学も超難しくて、なんと60点満点のテストのくせに65問くらい問題がありましたw
あと、僕は東大に高分子は基本出ないと言われていたので完全に捨てていたため、糖やナイロン66の構造式知らないせいで有機がほぼ0点だったのもあり、生物でその分稼ごうと思っていました。
が、その生物でも大問0.5個分全滅したショックは計り知れず、放心状態になっていました…。

第2問Ⅱは逆に当時全問正解しました。

A:
当時の私は片対数グラフってやつの存在そのものを知らなくて、試験会場で初見でした。なので使い方すら知らなかったのですが、グラフが使えなくても概算値で答えは8と12と出てくるので正答できましたw

一応言っておくと、野生型は16日で4倍になっていると表に書いてあるので8日で2倍に決まっていますし、変異体xは20日で3.2倍で、2^(5/3)が大体3.2なのでつまり20日の3/5倍で12日だろうという予想です。
野生型の方はわざわざグラフ使わなかった人も多そうです。

B:
4行程度 (約150文字) という、下手すりゃ国語よりたくさん書かせる記述問題です。
文字数はやたら多いですが、書くべきことは非常に単純で、要は根が分かれていようが、根粒形成シグナルを受けて、抑制シグナルを出す地上部は1個しかないんだからそりゃ総量で抑制されるでしょって言う話です。
あとは根粒の数が多くなるほどシグナルが強くなり一定の強さに達すると完全に根粒形成が停止することや、地上部は両方の根に抑制シグナルを送信しているなどを書けばよいでしょう。

グラフからは感染5日後から根粒形成が為されるように見えます。要求字数がやたら多いため解答に組み込みたくなりますが、テーマである「総数が一定である」ことに何の関係も無いのでむしろ書かないほうがいいでしょう。

C:
グラフから、変異体yがあると根粒数に調整が効かなくなってしまい根粒がいつまでも生成されることが読み取れます。
根が根粒形成を知らせるシグナルを発信する段階か、地上部から送られた抑制シグナルを受け取る段階か、どちらにバグが生じているかがまだ不明であるため、接ぎ木を行って根粒数を調べる実験を行い、これを突き止めたいというわけです。

どちらにバグが生じるかで予想される結果が異なるのですが、その予想結果を答えよという問題です。実際の実験結果のグラフがどちらに近いかによってタンパク質Yの役割が判明するということですが、残念ながら問題はここで打ち止めになっており、結局Yの役割は明かされませんでしたw

非常に残念ですがまあ仕方ない。両方の未来について予想しましょう。

まず根粒形成を知らせるシグナルを発信していない場合。野生型側からのシグナルは発信されるが、変異体yからのシグナルが発信されないため、地上部が受け取るシグナルが通常よりも弱くなります。そのため抑制シグナルも弱くなるため、根粒形成が停止するのが遅くなります。
具体的には野生型で通常の2倍の根粒が形成されると、野生型から発せられるシグナルが、ともに野生型の場合と同じ強さになると予想されます。抑制シグナルを受け取る段階は正常であるため、根粒形成の抑制自体は野生型も変異体yも等しく受けるため、グラフは横並びになります。

というわけで両方の根粒の個数が2倍になっているcが予想される結果となります。

続いて抑制シグナルを受け取る段階にバグがある場合。
こちらは野生型はシグナルを正しく受け取るため途中で根粒形成を停止しますが、変異体yは受け取らないためいつまでも根粒を形成し続けます。というわけで変異体yは「ともに変異体y」と同じペースで根粒を形成していると予想がつきます。
根粒形成シグナルの量は適正であるため、野生型が根粒形成を停止するタイミングは普段と同じ… とするのは誤りです。
「ともに野生型」の場合は完全に停止するまでの道中で根粒形成のスピードダウンが起きますが、今回は変異体yのほうがスピードダウンすらせずに全力で張り切り続けるので、その分普段より早く抑制シグナルが飛んできます。なので野生型の根粒は「ともに野生型」の場合よりも若干少なめになります。

以上を踏まえると、hが予想される結果となります。

勘違いしてfと答える人がたまにいそうですが、そう難易度の高い問題ではないでしょう。

第2問はこれで終了です。
Ⅱは考察自体は簡単であるものの記述の分量がとにかく多く、文章をまとめるのに苦労します。Ⅰはどちらかというと化学の問題感が強く、また新傾向の出題があったため難しかったのではないでしょうか。いえ、難しかったということにさせてください。


第3問
問題数自体は一番多いですが難易度はダントツで簡単です。
当時周りの得点開示を見ていた限り、どうやら大問ごとに20点ずつではないようで、この第3問に配点が多く割り振られていたような気がします。


知識問題オンリーで、[文1]なるものは1文字たりとも読む必要がありませんw

A:
知識問題ですが、当時の僕は間違えましたw
正直「東大生物の知識問題はサービス問題w」だと思ってたんですが、それを間違えまくったので当時は本当に焦ったのを覚えています。

(1) 正文です。というか文章の要素が少なすぎてツッコミが入る余地が無さすぎですw
(2) 正文ですが、当時の僕は何をとち狂ったのかこれを誤文判定しました。どこを直したかまでは覚えていません。
(3) うろ覚えでも「選択的スプライシング」の部分が明らかに違うので誤文であるという判断はつくでしょう。
正しくは免疫グロブリンには定常部と可変部っていう部位があって、可変部のアミノ酸配列が抗原に合わせて変化します。これによって多種多様な抗原に対応できるという仕組みです。
(4) 塩基は4種類あるから1/4の6乗で1/4096。生物というか算数の問題です。

B:
グラフの読み取り問題かと思いきや、常識的な知識問題です。当時僕が唯一完答した知識問題でもあります。アホかっての。
細胞あたりのDNA量はさすがに知らないと教科書読んだことあるの?ってレベルなので誇らしくもなんともないんですけどね!

DNA合成してるS期がbで、合成後のG2、M期がc。合成前のG1期がa。

Ⅰは完全解答できない人は生物選択やめろってレベルです。(←10年前の僕に刺さる)


奇しくも2023年度と同じ、DNA損傷によるG2期における修復がテーマです。

A:
DNA修復が起きないため、細胞がG2期をいつまでたっても抜け出せません。よってG2期の細胞の割合が増えるはずで、修復が起きない分生存率は下がります。
具体的にいかほどかまではわかりませんが、選択肢の中で上記を満たすのは(7)だけなのでこれが答えです。

B:
図3-2の右のグラフは、変異細胞BにおいてはX線照射をしようがしまいが通常通りの細胞周期が進行しているということを示します。すなわち正常細胞はDNA修復完了までG2期で停止するのですが、これが止まらなくなってしまってるということです。

修復が不完全なまま分裂に入ってしまうため当然細胞はどんどん死んでいきます。
3行くらい書かなきゃいけないので、まず実験結果を書き、それから予想されることを書くとよさそうです。

C:
当時の僕は確か白紙提出しました。実験3を少しアレンジすればいいというヒントが与えられていますが、全くのゼロから考えようとして詰んでいましたw

要は実験3においてはX線照射後に阻害剤を直ちに撤去していますが、これをDNA修復が完了するであろう十分な時間 (8時間) を置いてから撤去してやればいいのです。すると正常細胞と同等の生存率になることが予想されます。


酵素に関する基本的な問題です。非常に簡単であるぶん、勘違いをして点を落とすと他の受験生とかなり差がついてしまいます。
めちゃくちゃ簡単に言えば、タンパク質Xは普段から酵素として働きますが、タンパク質YがあるとXがものすごく元気になるということです。

A:
領域eが飛んでいるとタンパク質Xの活性が全くみられません。というわけでeです。

B:
領域bが飛んでいるⅡ、Ⅳにおいてタンパク質YがあってもXが頑張ってくれません。というわけでbです。
Ⅲも領域bが飛んでいますが、タンパク質Yが無くても超ハイテンションなので別の要因がありそうということで、ここではとりあえず無視します。

C:
Ⅰの結果より領域aが飛んでも何の影響もなさそうです。
先ほど述べたⅢにおける超ハイテンション化は領域cが関わっていそうです。逆にcがあるとおとなしくなるということで、その役割は(4)の活性抑制であると考えられます。

D:
リード文の内容をまとめるだけです。
ホルモンZで刺激する→Yが増える→Xが元気になる。
あとはこれまでの問題で得られた「領域bにYが結合し、領域cによる活性の抑制効果が外れて活性が高くなる」という情報を盛り込んでやればよさそうです。

E:
新たなる欠失型タンパク質Ⅶは、領域eが無いので酵素としては死んでいますが、Yと結合する領域bはあるので無意味にYを奪っていきます。
これさえ読み取れば競争的阻害の問題であるということにピンと来るでしょう。

空欄③:タンパク質Ⅶが多いと、どんどんYを奪っていくので正常タンパク質の活性が低くなります。 答えは(3)

空欄④:タンパク質Yが無限に存在すると、いくらⅦがYを奪うとはいってもまだまだ無限にYがあるため関係ありません。 答えは(5)

 

 

以上です。
参考までに僕が当時正解した問題と開示得点を挙げておきます。

 

第1問

A×〇 B×


A〇 B〇 C〇 D〇 E〇 F×

第2問

A× B× C× D×


A〇 B〇 C〇

第3問

A× B〇


A〇 B〇 C×


A〇 B〇 C〇 D〇 E〇

これで60点満点中41点。ざっと見ると大体7割くらい〇があるので正答率と同程度の点数が来ていました。記述と知識で満遍なく落としているのでこんなものでしょう。
当時の自己採点に比べて上限ギリギリの点数が来ました。書けたと思った記述題での部分点引かれはおそらくほとんどなく、要点さえ拾えていれば満点が来るものだと思われます。

頑張ればこれでも50点近くは取れただろうということを考えるとやっぱり悔しいです。
とはいえ化学の超難化や、第2問前半の雪崩による焦りがあったことも考えると、はっきりケアレスミスと言えるのは酸素解離曲線と第1問ラストの記号選択のみで、失点はおそらく3点程度。一発勝負の中ではよくやれたほうだと思います。

とか言って、知識問題だけで恐らく6点程度落としているのはどうなんですかね…w

今やると第2問のA、B以外は全部正解できたので、55点くらいは来るでしょう(笑)
やっぱり年を取ると視野も知識も広がるようです。