ぽぴれあの大学入試数学解説ブログ

2014年度東大数学113点のぽぴれあちゃんが受験数学を解いてイキるためのブログです

2023京大文系数学の有理化の問題を解説してみる

ある日Twitterを眺めていたらこんな問題が流れてきました。


この式を有理化せよという問題。どうやら今年の京大の文系数学で出題されたようで、某東大医学部卒勉強系Youtuberがショートで解説していたからちょっと話題になったみたいです。

というわけで暇なので考えてみたら20秒くらいで方針が分かって、計算してみたらあっさり解けたのでどういう思考をしているのか解説を書いてみる。僕は某Youtuberのショートは観ていないので言ってることが被ってたらスマソ

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まず皆さんは有理化というのは何のことがご存知でしょうか? 有理化というのは分母に根号を含む式を、分母に根号を含まない形に変換することです。

こんな感じ。

で、問題を眺めてみましょう。解けそうですか。なんか一筋縄ではいかなさそうな形をしていますよね。それもそのはず、ふつう有理化せよと言われたら平方根を外すのに、今回は3乗根が出現しているわけですから、一目見て難しそうなのは当たり前です。

こういう問題では、見たことないから手が付けられない! 詰んだ! となる前に基本に立ち返ってみるというのが大切です。

というわけで基本に立ち返りましょう。

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まずこの式を有理化しろという問題。よくありますよね。これなら解けるという人が多いんじゃないでしょうか。


この手のやつは分母分子に√6-√2を掛けることで有理化ができるというのは皆さん知っての通りです。なぜこんなことをするのかというと、この操作の背景には次の親の顔より見た等式

(a+b)(a-b)=a^2-b^2

というものがあるからです。今回の場合は、a=√6、b=√2です。

当たり前ですが平方根は2乗したら外れます。だから2乗の形を作りたいわけです。分母にa+bの形があれば、a-bを掛けることで(2乗)-(2乗)になるので根号が外れ、有理化が完了するのです。
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以上を踏まえて今回の問題をもう一度見てみましょう。

3乗根ですね。ということは3乗の形を作ればいいというのは、先ほどの話を踏まえればごく自然な発想として浮かび上がるはずです。
さらに、先ほど√6+√2というのをa+bと見立てたのですから、今回もこの分母のよくわからないものをa+b+cと見立てて…

(a+b+c)(なんたらかんたら) = a^3+b^3+c^3みたいな形の展開式

という感じの等式に持ち込めればなんとかなるような気がしてくると思います。

ここで、3乗の因数分解と聞いてピンと来る人も多いのではないでしょうか。


この式が浮かび上がると思います。受験数学の勉強をしているとやたら出てくるので見覚えはあると思います。ちなみにこんなもん丸暗記するもんじゃないです。なんとなくこんなのあるよね程度に頭に残っていれば自分で展開or因数分解して導出すればいいんだからわざわざ覚える必要がありません。
3乗の形に加えてなんか3abcという項がありますが、abcを実際に計算してみると27の3乗根、つまり3が出てきて整数となるため分母をこの右辺の形にすれば有理化が完了する未来が明確に見えるはずです。

明確に見えたのですからあとは計算するだけです。計算計算!



終わり。
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いかがでしたか? 実はこの記事で伝えたいのは3乗根の外し方とかじゃなくて、ぶっちゃけそんなもんはどうでもよくて、一見難しそうな問題でも、基本的なお話から自然な発想で拡張していけばあっさり解けるんですよということがお分かりいただければ受験数学に対する恐怖心がちょっぴり薄れるんじゃないかなあと思います。高校生以下でこんなブログ読んでるやついるのかよって話ですが。